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2019.06.26

五十嵐 和希

SEO SOLUTION

近年関心が集まる”音声検索最適化”「VSO」はどうしたらいい?

WRITER

五十嵐 和希

株式会社PLAN-B システム開発本部 PDMチーム プロダクトオーナー

2013年中途採用でPLAN-Bに入社。東日本エリアの営業マネージャーを経て、2017年にビジネス開発ユニットを立ち上げ、オウンドメディア運用と事業開発を行う。その後、2018年よりJuicer事業部へ異動。自社開発DMP「Juicer」の販売戦略を中心としたマーケティング活動に従事。現在はPDMチームにてプロダクトオーナーとして新規事業の立ち上げを行っている。

目次
    1. 音声検索とは
    2. 音声入力の特徴とは
      1. 音声入力が使われやすいのは、日常的な「ながら」シーン
    3. 今後も増えていく音声検索
    4. 音声検索最適化、VSOとは?
      1. Google社のJohn Mueller氏による2つのポイント
      2. SEO調査会社、Backlinko(バックリンコ)による11のポイント
    5. VSOのために出来ること6つ
      1. スマホやタブレット端末を大前提に
      2. 会話的な長文フレーズに対応させる
      3. 問答形式のFAQのページを作成する
      4. ローカルなコンテンツを増やす(ローカルSEO対策)
      5. セキュリティーを強化する
      6. ページの表示速度を向上させる
        1. 画像について改善する
        2. JavaScriptについて改善する
    6. まとめ

これまで検索方法と言えば、検索エンジンに単語を入力する「テキスト検索」だけでした。しかし近年は状況が変わってきています。Googleの調査によると、世界全体を対象にしたとき、音声による検索が全体の20%を占めているというのです。

「音声検索」で皆さんがまず思い浮かぶものと言えば、AppleのSiriではないでしょうか。以前はSiriのみが、音声検索の分野を独占していました。しかしスマートスピーカーの登場により、AmazonのAlexa、LINEのClova、Google Homeなど、続々と音声検索に対応したデバイスが開発されてきています。スマホのAndroidにはGoogle音声入力が搭載され、iPhone/Androidともに、音声入力のアプリはより一層増えてきています。

こうした状況に対して、サイト運営者には今までのテキスト検索に対するSEOではなく、音声検索に対応した”特別なSEOのようなもの”が必要になってくるのでしょうか。

音声検索とは

「Hey,Siri」や「Hey,Google」といったセリフのCMでお馴染みの、音声検索。スマートフォンの普及により、AppleのSiriをきっかけとして、一般的に広く認知されるようになりました。また「Alexa」や「Google Home」といった音声アシスト家電の登場により、音声検索はさらに生活に身近なものとなっています。

音声検索の仕組みを簡単に説明します。音声入力デバイスに内蔵された音声認識システムが、ユーザーのデバイスにかけた声(音波)から音の最小構成単位である「音素」を特定し、それをテキストに変換します。そしてインターネット上の情報から該当するキーワードを検索し、適切と思われる回答を返します。

音声認識システムの技術はどんどん向上しており、かなりの精度で検索が可能となってきています。

音声入力の特徴とは

音声検索の特徴は、主に2つあります。

1つ目は、入力スピードが早いことです。キーボードをうち慣れていなければ時間がかかる検索入力も、音声であれば数秒もかからず、気軽に行えます。

2つ目は、パソコンやスマホの画面を見ずに、なにかをしながらでも検索できるということです。画面をじっと見なくてもよいことは目を疲れさせずストレスフリーで、これは文字検索にはないメリットです。

音声入力が使われやすいのは、日常的な「ながら」シーン

音声検索が使われやすいのは”日常的なシーン”と考えられます。特に、日本では人前で音声入力デバイスに話しかけるのが恥ずかしいという人が多いため、自宅や車内など限られた個人の空間で利用することがほとんどと考えられます。(参考:日本人の7割が「人前で音声検索、恥ずかしい」)

例えば、自宅で料理をしているとき。主菜を作りながらあと一品、副菜のレシピを知りたくなる場合は多くあるでしょう。料理はあまり時間をかけたくないですし、料理中は手が濡れていたりするかもしれません。いったん手を止め、スマホやパソコンで調べに行くのは手間がかかります。

そこで音声デバイスを利用すると、料理の手を止めずにレシピを検索することが出来ます。

また、車を運転している時にガソリンが少なくなってしまったときを想像してみてください。運転しながらカーナビやスマホを操作するのはとても危険です。一旦停止しようにも、路肩に止められない場合があるかもしれません。そんな時に音声検索なら、運転しながら近場のガソリンスタンドの場所を調べることが出来ます。

他にも様々な音声アシスト公式のサイトから利用シーンを想定した例があるので、こちらを参考にしてください。

今後も増えていく音声検索

このように、便利な音声検索の市場はどんどん拡大しており、2020年までにはすべての検索の約50%を占めるという予測もあります(参考:https://www.campaignlive.co.uk/article/just-say-it-future-search-voice-personal-digital-assistants/1392459)。しかしながら、音声アシスト市場の拡大が目覚ましいのはアメリカをはじめとした海外で、日本はあまり普及していないのが現状です。(参考:日本人の7割が「人前で音声検索、恥ずかしい」)

それでも今後、音声検索に興味を持つ人は増えていくことや、今は利用者が少なくても徐々に抵抗感がなくなり、使われる機会が増加する可能性は高いでしょう。そのためテキスト検索ではなく、音声検索で選ばれるためのSEO的な対策に、興味を示すサイト運営者は増えてきているようです。

音声検索最適化、VSOとは?

音声検索をするユーザーは、検索の際、ほとんどがデバイスに対して”質問文”を投げかけます。例えば、検索エンジンでは「音声検索 SEO対策」と入力していたところを、「音声検索のSEO対策はどうすれば?」というように、人と会話をするように尋ねるのです。

今までのテキストを対象としたSEO対策は、検索エンジンを意識したコンテンツの充足に焦点が当てられてきました。しかしユーザーの音声検索を意識せざるを得なくなってきた現在、単語で検索されやすいコンテンツを、会話の形式で認識されるよう最適化しなくてはいけないのでは、と考えられるようになってきました。

こうした音声検索のための”最適化”は、検索エンジン最適化を意味する「SEO」に対応して、音声検索最適化「VSO」と呼ばれ、注目を集めています。

音声検索はいまだ普及途上、まだまだ未知数の分野です。そのためVSOという概念が生まれても、サイト分析を担うGoogleサーチコンソールやGoogleアナリティクスは、音声入力による検索流入などのデータ収集に対応していません。しかしながら、VSOを考えるために、音声検索結果に対しさまざまな分析や意見が出されています。

Google社のJohn Mueller氏による2つのポイント

Google社のJohn Mueller氏は、音声検索の最適化について動画で語りました。

彼は音声検索のVSOに役立ちそうな、2つのポイントをあげています。

  • 構造化データ…音声検索でもGoogle が目指すのは、ユーザーのクエリに最もマッチした回答を返すこと。そのため、ページの内容を Google が理解しやすいよう、構造化データが重要である。
  • 音声検索の回答に利用されやすい文…簡潔にまとまった文は読み上げられやすい。コンテンツの冒頭部分に、結論として書くと良い。

SEO調査会社、Backlinko(バックリンコ)による11のポイント

海外のSEO調査会社であるBacklinkoは、スマートスピーカーGoogle Homeが回答した1万件の音声検索の結果を分析し、音声検索で回答として選ばれたコンテンツの11のポイントを提示しました。

  1. ページの表示速度が非常に速い
  2. HTTPSで保護されたサイト
  3. 音声検索のクエリに対して簡潔な回答(短文)
  4. ドメインオーソリティが高い。オーソリティが低いサイトよりも音声検索の結果に出やすい
  5. ソーシャルでのシェア率が高い
  6. シンプルで読みやすいコンテンツ
  7. (Googleは)長いコンテンツから抜き出して音声検索の回答をつくる傾向にある(平均して2,312語)
  8. パソコンでの検索で上位表示されている
  9. 強調スニペットが音声検索結果として出現する
  10. ページのtitleタグにクエリそのものが含まれている音声検索結果はごくわずか
  11. 構造化データは音声検索の順位に重要な役割を果たしていない

参考:https://backlinko.com/voice-search-seo-study

VSOのために出来ること6つ

音声入力が利用されるシーンの想定や音声検索結果の分析から、VSOのために良いと考えられる具体的な方法を、このサイトでは6つ提案します。

スマホやタブレット端末を大前提に

音声検索はほとんどがスマホやタブレット端末から行われることが想定されます。そのため、サイトはスマホ向けページを作成するか、レスポンシブウェブデザイン対応のものであることが前提にあるとよいでしょう。

会話的な長文フレーズに対応させる

ユーザーはデバイスに対して語り掛けるように音声検索をすると考えられます。ぶつ切りにした単語ではなく「話し言葉」が、検索ワードとして使われるのです。

話し言葉は書き言葉よりも長くなる傾向があります。キーワードを考える際は、口語調で、少し長めに設定すると良いかもしれません。また、難しい単語を並べたものよりシンプルで分かりやすい文が読み上げられやすいので、選ぶ語彙にも注意するとよいでしょう。

問答形式のFAQのページを作成する

自サイトが提供するコンテンツに対してよくある質問(FAQ)を問答形式にし、並べたページを作成するとよいでしょう。なぜなら実際に検索されるときの「話し言葉」に、文章を合わせやすいからです。

問答形式の問いを考えるときには、音声検索で使われるであろうフレーズを想定しましょう。例えば

  • ~を教えて
  • ~を見せて
  • ~って何?
  • いつ?
  • どこ?
  • ~はどうしたらいい(××の仕方は)?

特に、「~って何?」以下の4つのような「5W1Hを含む質問」は実際にされやすいものです。こうした質問に対応する形の回答文を作成しておくとよいでしょう。

ローカルなコンテンツを増やす(ローカルSEO対策)

現在、音声検索が使われるシーンは身近な生活圏での場面がほとんどです。とくにユーザーは「場所について」知ろうとする傾向があります。例えば、音声検索を利用する例で紹介した「車を運転しているとき」も、ユーザーが知りたいのは「特定のエリア内」のガソリンスタンドです。

また、おいしいランチのお店や美容院を見つけたいと日常的に思う機会は多いものです。そのとき手近に音声入力デバイスがあれば、キーボードで打つよりも、気軽にデバイスに尋ねるほうを選ぶでしょう。

したがってtitleタグやhタグに地名キーワードを入れたり、地名入りリンクを貼るといったコンテンツをローカライズさせることで、音声検索結果に反映される機会を増やせる可能性があります。「場所(地域名) 業種」のようなローカルに関する検索で上位を狙うこのような施策は「ローカルSEO対策」とも呼ばれています。

ローカルSEO対策に効果的なのは、「Googleマイビジネス」への登録(無料)です。Googleマイビジネスに登録すると、Google検索やGoogleマップ上に自サイトの基本情報を表示させることができます。

セキュリティーを強化する

Backlinkoによると、HTTPSで保護されたサイトが検索結果の70.4%を占めていたといいます。セキュリティーがきちんとしているサイトは信頼性が高くみなされ、検索結果に反映されると考えられます。

ページの表示速度を向上させる

ページの表示速度が音声検索のSEOに大きな役割を果たしていると考えられます。会話形式の回答をこなす音声検索は、質問ののちになるべく早く回答を返すことを望みます。そのため、すぐにページが表示されるサイトを好むと考えられます。

Googleが無料で提供する「Google PageSpeed Insights」で、サイトの表示速度を測定することができます。

使い方はとても簡単です。調べたいサイトURLを入力して分析ボタンを押すだけ。そうすると、PCとスマートフォン両方での表示速度を100点満点で評価してくれます。70~80点であれば、悪くない速度です。高評価を目指すのであれば85点以上になります。

表示速度の改善方法はいくつもありますが、代表的なものを紹介しておきます。

画像について改善する

画像の枚数を減らしたり、サイズをデバイスによって適切なものにしたり、ファイル自体を圧縮して軽量化してみましょう。

JavaScriptについて改善する

複数のファイルに分かれているJavaScriptを1つのファイルにまとめましょう。これはHTTPリクエストの数を減らすために行います。

またJavaScriptは読み込みが始まると、それが完了・実行されるまで、次のコードの読み込みが始まりません。それに対し、CSSは同時に複数読み込みが行え、完了・実行していなくても他のファイルを読み込み始めることが出来ます。なので、JavaScriptタグの前にCSSタグを記述すれば、読み込みがスムーズになり、表示速度が速くなります。

まとめ

スマホや音声アシスト家電の普及により拡大し続ける、音声入力デバイスによる「音声検索」。今までとは違う新たな時代の検索方法に対応して、検索エンジンのために行っていたSEO対策だけでなく、音声検索最適化「VSO」も必須になっていくかもしれません。

VSOを考えるときには音声入力がどんなシーンで使われるかを想定し、単語ではなく話し言葉の質問形式であるということや、実際に音声検索結果で表示されるものの傾向を参考にしていくとよいでしょう。まだまだ不明なところが多いVSOは、これからも動向をチェックしておきたい分野です。