2021.05.16

五十嵐 和希

MARKETING

eスポーツとは|プロゲーマーは日本ではまだ流行らないのか

WRITER

五十嵐 和希

株式会社PLAN-B システム開発本部 PDMチーム

大手広告主企業での広告宣伝部、総合広告代理店でのプロモーション部を経験し、PLAN-Bへ入社。企業のオウンドメディア「PINTO!」の立ち上げを行い数多くの記事を作成しメディアとして成長させた。その経験からコンテンツSEOのインハウス化を支援するツールの「SEARCHWRITE」をローンチし、プロダクトオーナーを務める。

目次
    1. 賞金1億円を超える大会も!
    2. ゲームで生活する「プロゲーマー」が登場
    3. もしかしたら、オリンピックでもeスポーツが採用されるかも?!
    4. 国内でのeスポーツの現状は?
    5. マーケティング目線からも見逃せないeスポーツ
    6. まとめ

「eスポーツ」という言葉をご存知でしょうか?

eスポーツは、「electronic sports」の略称で、ビデオゲームを利用した競技のことを指します。格闘ゲーム、レースゲーム、シューティングゲームをはじめとした通信対戦が可能なゲームで高額な賞金のかけられた大会が各国で開催されており、日本でも流行の兆しを見せ始めています。

本コラムでは、eスポーツの国内外での状況をお伝えし、eスポーツとビジネスの可能性について考察していきます。


賞金1億円を超える大会も!

家庭向けのビデオゲームや、ゲームセンターなどに設置されているアーケードゲームの大会は、それらの普及し始めた1980年代頃から各地で開催されていたものの、その規模は限定的でした。

そして、1990年代に入りインターネットに接続してオンラインで対戦できるようになったことで、世界規模の大会が開かれるようになり賞金も高額化。

2000年代以降、この傾向はさらに強まり、2006年9月に開催された「FUN Technologies Worldwide Webgames Championship」では賞金総額が100万米ドル(約1億円)にのぼっています。※1

オンライン対戦で賞金1億円の大会も!


ゲームで生活する「プロゲーマー」が登場

注目度が高まり、賞金が高額化するなかで、大会で獲得する賞金やスポンサー収入、メディア出演料を主な収入源として生活する「プロゲーマー」と呼ばれる人たちが登場するまでとなりました。

さらに、プロゲーマーが集まって組織化した「クラブチーム」も結成されるように。このような流れのなかで、ビデオゲームの大会をスポーツと同様に捉えるという動きが日本を含む各国で広がりつつあります。


もしかしたら、オリンピックでもeスポーツが採用されるかも?!

たとえば、アジア競技大会を主催するアジアオリンピック評議会は、2018年8月にインドネシアのジャカルタとパレンバンで開かれるアジア大会でデモンストレーション種目としてeスポーツ競技を試験的に導入すること、2022年に中国・杭州で開催される大会においてeスポーツを正式なメダル種目として採用することを発表しました。※2

また、2017年9月には「Asian Indoor and Martial Arts Games」という屋内スポーツの競技大会でデモンストレーション種目としてeスポーツの競技が実施されることになっています。

そう遠くない将来、オリンピックのような全世界を対象とする大会でも、eスポーツが正式種目となる日が来るかもしれません。

※2)参照:Olympic Council of Asia


国内でのeスポーツの現状は?

日本では、2010年頃からeスポーツが注目されるようになりました。数々の格闘ゲーム大会で優勝していた梅原大吾氏が米MadCatz社とスポンサー契約を結び、プロゲーマーとして活動することを公表したことがきっかけの1つとされています。※3

国内でのe−スポーツの広がり

その後、日本国内でも高額賞金の大会が開催されるようになり、日本人のプロゲーマーやクラブチームが徐々に増えています。ゲームの開発会社がプロゲーマーと契約するケースも出てきており、2017年2月、KONAMIは自社開発の音楽ゲーム「beatmania IIDX」においてdolceというプレーヤーと専属プロゲーマーとしての契約を締結しています。※4

eスポーツに対する注目度の高まりは教育にも影響を与え始めています。

東京都にある「東京アニメ・声優専門学校」では、プロゲーマーを養成する「e-sports プロフェッショナルゲーマーワールド」というコースを開設。※5

このコースでは、eスポーツのキャスター・イベントスタッフ・eスポーツゲームのクリエイターを育成する学科に加えて、プロゲーマーを輩出するための「総合プロゲーマー専攻」を開講しています。追随する専門学校が増えていくことで、今後ますます日本のプロゲーマー人口は増加するでしょう。

さらに、賞金を用意したeスポーツの大会の模様を実況・解説付きで放送し、eスポーツの競技性を伝える「eスポーツMAX」(TOKYO MX)や「いいすぽ!」(フジテレビONE)といったテレビ番組も複数誕生しています。

※3)参照:ITmedia Gamez
※4)公式ブログ:dolce_iwate blog
※5)参照:東京アニメ・声優専門学校


マーケティング目線からも見逃せないeスポーツ

このようなeスポーツへの注目度の高まりは、マーケティング視点からも見逃せません。特に、自社や自社商品の認知拡大を狙う上でeスポーツを起点としたメディアへの露出は新たな選択肢となるでしょう。

マーケティングでの活用例

具体的には、プロゲーマー個人もしくはクラブチームに活動費の支給を含むさまざまな支援を行う見返りとして、大会出場時やメディアへの出演時に企業ロゴの入った衣服を着用してもらうといったことが考えられます。

また、eスポーツに関わる大会が国内でさらに注目を集めるようになれば、自社で抱える「実業団チーム」を結成する企業が現れる可能性もあります。野球やサッカー、陸上に加えて、eスポーツという領域で実業団チームを抱える企業も出てくるかもしれません。

さらに、大会を主催したり、冠スポンサーになるのも1つの手です。

日本国内では景品表示法や刑法などの法律との兼ね合いで、ゲームの開発会社とは無関係の第三者がスポンサーとなる大会形式でなければ、高額賞金の大会を開催することができません。※6

注目されるeスポーツ大会の主催企業やスポンサーとなることで、企業名の大幅な認知向上が期待できます。


まとめ

日本でのeスポーツの発展は途中段階ですが、eスポーツの知名度が上がり、プロゲーマー人口が増え、法整備も進むことで、日本は世界と同等に戦えるeスポーツ先進国となります。

早い段階からeスポーツと関連を持つことで、eスポーツ発展の貢献者として市場での評価が高まるかもしれません。