インバウンドマーケティングとは? その特徴や基本的な考え方について解説

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最適なマーケティングの手法は顧客の行動に応じて異なりますが、顧客の行動そのものも時世や社会的できごとによって変化しつづけています。近年ではコロナ禍による影響で人々の購買プロセスは変容しつつあり、2021年の8月にNRI(野村総合研究所)が実施した「生活1万人アンケート調査」によると、「実店舗に行かずにインターネットだけで商品を買うことがある」と回答した人は2021年には約半数に達したそうです。また、シニア層のスマートフォン所持率も急増し、50代で9割、70代でも半数に達し、人々の購買が「インターネットでの情報収集」を起点とした行動に移行しつつあるといいます。

では、現在のような「大ネットショッピング時代」における、適切なマーケティングとはなんでしょうか。本稿では一つの例として、PLAN-Bも取り組んでいる「インバウンドマーケティング」に焦点を当て、その特徴や基本的な考え方について解説します。

以下の記事では、インバウンドマーケティングと混同されることの多い「コンテンツマーケティング」について網羅的に解説しています。2つの違いがよく分からないという方は、ぜひ読んでみてください。

「インバウンド」の思想と「インバウンドマーケティング」

「インバウンドマーケティング」とは、HubSpotが2000年代後半に提唱したマーケティング手法です。インバウンドマーケティングを理解するためには、まずはインバウンドのコンセプトを理解するとよいでしょう。インバウンド(※)の思想についてHubSpot社は、数々の出版物で以下のように説明しています。

※マーケティングにおける「インバウンド」という思想自体、HubSpotが提唱したもの

インバウンドの思想とは、相手の課題を解決するような価値あるコンテンツをこちらから率先して提供し、良好な関係を築いて、結果として自社にもなにかしらの利益が返ってくる状態を目指します。

引用元:「インバウンド」なマーケティングの体現者であれ。HubSpotブログの裏側 | 株式会社才流 (sairu.co.jp)

インバウンドのコンセプトは「相手に必要とされる情報を提供し、まず役に立つこと」。

引用元:広告へのネガティブな印象を生まない。受け手に喜ばれる「インバウンドなオンライン広告」とは (1/3):MarkeZine(マーケジン)

インバウンドマーケティングのベースには「Providing value before extracting value(価値を相手から受け取る前に、こちらから価値を提供する)」という考え方があります。これは、見込み客が抱える課題やニーズに答える、価値のある情報を提供し満足していただいて惹きつけ信頼関係を築くという思想です。

引用元:インバウンドの手法で見込み客を獲得する方法 (hubspot.jp)

上記をひも解くと、強調されているのは「相手に必要とされる情報(価値)」「まずこちらから提供」「相手と良好な関係を築く」ことです。では、これらの思想の下に展開される「インバウンドマーケティング」とはどういったマーケティング活動なのでしょうか。こちらもHubspotのブログを参照してみます。

インバウンドマーケティングとは、価値あるコンテンツと顧客それぞれに合わせた体験を創出し、相手を惹きつけるビジネス手法です。望まれないコンテンツでオーディエンスの邪魔をしかねないアウトバウンドマーケティングとは異なり、インバウンドマーケティングでは、オーディエンスにとって望ましい形で信頼関係を構築しながら、オーディエンスが現在抱えている問題を解決できます。

引用元:インバウンドマーケティングとは | HubSpot(ハブスポット)

アウトバウンドマーケティングとは、不特定多数の顧客に向けて、企業の任意のタイミングで情報を届けるマーケティングの手法です。従来は主流であった、いわゆる「プッシュ型」の手法であると言えるでしょう。一方で、インバウンドマーケティングは、特定の顧客に対して、顧客が必要とするタイミングで情報を届ける手法です。

 アウトバウンドマーケティングインバウンドマーケティング
情報を届ける対象不特定多数の顧客特定の顧客
届ける情報画一的個別的
情報を届けるタイミング企業側の任意のタイミング顧客が必要とするタイミング

なお、インバウンドとアウトバウンドのマーケティング手法については、「SNSはインバウンド」「広告はアウトバウンド」のように決まった定義はありません。インバウンドとアウトバウンドの差は「顧客に役立つよう最適化されているか否か」であると言ってよいでしょう。

インバウンドマーケティングが主流になった背景

インバウンドマーケティングが主流になった背景には、「顧客の購買プロセスの変化」がありますインターネットが普及するにつれ、顧客が自主的にアクセスできる情報が大量に増加したため、「Web検索やSNSでの情報収集を行い、購買を判断する」という行動が一般的になりました。顧客が任意のタイミングで情報にアクセスできるようになったため、一方的に情報を提供するアウトバウンドマーケティングの手法は以前ほど効果的でなくなったのです。それどころか不要な情報を受け取る可能性もあるため、アウトバウンドマーケティングはネガティブな印象を持たれることも増えました。

アウトバウンドマーケティングは終わりを迎えたのか

では、「アウトバウンドマーケティングの手法は完全に終焉を迎えたのか」と問われると、実情は異なります。アウトバウンドマーケティングは、「大勢の人に向けて一斉に、同一の情報を伝える拡散力」という圧倒的な強みを持つためです。例えばまだ商品のことも知らず、自分の悩みも認識していない潜在層へアピールするにはTVやラジオのCM、新聞広告などが有利に働くケースは多いでしょう。また、地域密着型の戦略をとっている場合は、かつてのような訪問販売の営業スタイルが好評なケースもあります。

これは、顧客の購買プロセスによって最適なマーケティングの手法は異なるということを示しています。インバウンドマーケティングが主流になった背景に「顧客自ら情報収集するようになった」という購買プロセスの変化があったように、ターゲットとする顧客の購買プロセスによっては、アウトバウンドマーケティングが適しているケースもあるのです。

弊社PLAN-Bでは、当メディア「PINTO!」を主にインバウンドのマーケティングチャネルとして運用し、自社開発のSEOツール「SEARCH WRITE」や、デジタルマーケティングのコンサルティングサービスの情報を、企業のWeb担当者の方にお届けする形式を採用しております。

しかし、同時にアウトバウンドの電話営業も行っており、「普段から積極的にWeb検索で情報収集を行なわない顧客層」の拡大に一定の効果を得ています。というのも、インバウンドマーケティングの手法は「顧客主導」の性格を強く持ち、顧客の認知を得て初めて成果が出る手法であるため、成果創出や規模拡大に時間がかかるという性質があります。その点、アウトバウンドの手法は「拡散力」や「即効性」に優れているため、顧客体験を損ねないよう配慮して取り組めば、まだまだ効果的な手法といえるでしょう。

インバウンドマーケティングを実行するために理解すべき「顧客購買プロセス」

一口にインバウンドマーケティングと言っても、その手法は様々であり、顧客の購買プロセスに応じて最適な手法を採用する必要があります。インバウンドマーケティングに限ったことではないものの、顧客の購買プロセスに合っていないマーケティング手法を採用しても、その効果は限定的なものとなるでしょう。購買プロセスを体系的に理解するために、本項で「マーケティングファネル」というフレームワークを紹介します。

ファネルとは「漏斗(ろうと)」のことで、顧客の購買プロセスを表す際にファネルの形状を用いたものが、マーケティングファネルです。マーケティングファネルという名称やその内容については、統一的な定義はなく、情報の発信者によってその使い方は異なります。人々の購買プロセスは多様であり日々変化するため、様々な行動モデルが提唱され、それに応じて多種のファネルが生み出されているというわけです。本稿では、購買プロセスを以下の5つの段階に分けたモデルを紹介します。

  1. 課題の認識
  2. 検討(情報収集)
  3. 購買
  4. ロイヤルカスタマー化
  5. 支持行動

1.課題の認識

顧客は何らかの課題を解決するために、商品を購入します。例えば、食品を購入するのは「食品自体が欲しいから」ではなく「お腹を満たすため」であり、電動ドリルを購入するのは「穴をあけるため」です。特にインバウンドマーケティングは、顧客主導のマーケティング活動であるため、「顧客自身が抱えている課題を認識すること」の重要性は高まります。裏を返せば、顧客が自らの課題に気づかなければ、インバウンドマーケティングの成功は難しいということです。「穴をあけたい」という課題を認識していない顧客に電動ドリルを買ってもらうことは困難を極めるでしょう。そのため、インバウンドマーケティングの出発点は、ターゲットとなる顧客に販促したい商品やサービスにつながる「課題提起」になります。

手前味噌ですが、具体例として弊社PLAN-Bの事例を紹介します。PLAN-Bが提供するSEOツール「SEARCH WRITE」の強みは、一言でいえば「運用しやすいこと」にあります。SEOに取り組んでいるが思うような成果を得られていない企業の中には「SEOツールを導入しているものの、使いこなせておらず運用に乗っていない」というケースがよくありますが、意外なことに担当者自身も「ツールを使いこなせていない」という課題に気づいていないケースもあるのです。当メディア「PINTO!」は、そういった企業の担当者様に向けて、以下のような流れで課題提起の役割を果たしています。

  1. SEOが思うようにいかない場合によく検索される「SEO 対策」のようなキーワードに対して、SEO対策のノウハウをまとめた記事を作成し、上位表示させる。
  2. 記事内で「SEOが成功しない一因として、ツールが運用できていない可能性がある」「SEOを成功させるにはツール選びが重要である」というメッセージを記載し、読者様に「貴社はSEOツールを十分に運用できていますか」という課題提起を行っている

もちろん、企業側が提起したい課題が独り歩きしては思うような効果は得られないでしょう。インバウンドマーケティングの思想はあくまで「相手に必要とされる情報を提供すること」です。企業側が「この情報は顧客の役に立つ」と考えていても、顧客側にとっては不要な情報である可能性もあるため、あくまで顧客の必要とする情報を起点にコンテンツを作成しましょう。

2.検討(情報収集)

課題を解決するための商品を認識すれば、顧客はより詳しい情報を探す段階に入ります。商品を認識したからといって、すなわち購入に至るわけではありません。Web検索やSNSで情報収集を行い「この商品は本当に自分にとって価値があるのか」「他に類似の商品でもっと良いものはないか」と吟味します。この段階で行う適切なコミュニケーションとしては、客観的に見た自社の商品の魅力を顧客に伝えることでしょう。せっかく商品が優れていても、無理やり販促を行っても、見込み客にとって有益な情報とはなりません。あくまで、顧客の検討の役に立つ情報を提供するよう心がけましょう。

3.購買

顧客は十分な情報収集が完了したら、購入の意思決定へと至ります。しかし、購買の意思が固まったからといって、企業側が配慮するべき事項が全くないわけではありません。美味しいと噂の飲食店に食べに行き、実際に料理が美味しくても、接客の態度が悪ければ「もうあの店には二度と行かない」となるように、「購買」も非常に重要な顧客体験のひとつなのです。あまりに購入体験が劣悪な場合、初回の購入すら取りやめる可能性もあります。「どこで商品を購入すればよいか分からない」「購入するために非常に手間がかかる」のような状態は避け、スムーズに購買を終えられるよう配慮した設計にしましょう。

4.ロイヤルカスタマー化

ロイヤルカスタマー化は、商品購入後に商品そのものや企業のファンになってもらう段階のことです。商品購入後のアフターフォローには、ステップメールや会員向けサイト、顧客サポートコンテンツなどが役立ちます。例えば、購入に商品の活用アイデアや事例を豊富に取り入れたコンテンツを配布したり、購入者しか参加できないコミュニティへの参加を勧め、購入者同士のコミュニケーションを促してもいいでしょう。複雑なサービスであれば、しばらく操作方法などを無料でサポートするサービスを提供するのもひとつの手です。

5.支持行動

これまで紹介した1~4のプロセスにおいて顧客と適切なコミュニケーションを取れた場合、顧客は商品自体や企業を支持する行動を取ってくれる可能性があります。「SNSで商品や企業に対する感想の拡散」「周囲の人に口コミとして共有」などのアクションを起こし、支持を表明してくれるのです。もちろん、並大抵の顧客体験を提供するだけでは、顧客の自発的な支持行動を誘発することはできません。インバウンドの思想に則り、率先して顧客にとって価値ある体験を届け続けて初めて、顧客は自分の体験をポジティブに拡散してくれるのです。

インバウンドマーケティングを成功させるポイント

インバウンドマーケティングは成功させるには「インバウンドマーケティングには時間がかかる」と理解した上で取り組む必要があります。また多くの場合、インバウンドマーケティングはマーケティング部門が単独で取り組むものではなく、他部署と協力して成功させるものです。以下で具体的なポイントを2つに絞り込んで解説します。

顧客の購買プロセスの徹底的に分析する

これまで解説してきた通り、インバウンドマーケティングは顧客の購買プロセスの各場面において、顧客にとって有益な情報を提供しつづけることによって成立する手法です。つまり、対象とする顧客の購買プロセスと購買心理を正確に把握すること」は最も重要なポイントのひとつとなります。顧客を正しく理解するためには「ペルソナ設定」や「カスタマージャーニーマップの作成」に取り組むとよいでしょう。いずれもマーケティング全般において非常に重要な施策であるため、まだ取り組めていない方はぜひ以下の記事を参考にチャレンジしてみてください。

社内で密に連携して進める

インバウンドマーケティングは、マーケティング部署のみの活躍で成功させるというよりは全社一丸となって取り組むイメージを持ってください。例えば、BtoBマーケティング活動で得た見込み顧客を、購買意識がどの段階に達したときに営業担当者へ顧客リストを渡すのかなどの決定には営業部門の協力が不可欠です。また、インバウンドマーケティングの代表的な手法であるSEOやSNSの運用は、すぐに成果が出る手法ではないため、「中長期に渡って一定の人材と費用を投資する」という経営層の意志決定が必要となります。

マーケティングと、営業が別の部門に分かれている場合は特に、関係部署との連携や情報の共有に気を配りましょう。「マーケティング部門がよくわからないことをやっている」という認識しか持ってもらえないと、マーケティングの段階で成果が出ても広報や営業にうまく引き継げません。お互いの部署に対してフラストレーションが溜まり、せっかく取り組んできたインバウンドマーケティングが水泡に帰す可能性もあります。できれば双方の部署の内情を理解しており、発言権のある立場の人が部門間の仲介を行うようにするとよいでしょう。

まとめ:インバウンドマーケティングは購買プロセスに合わせて展開する

インバウンドマーケティングは、顧客にとって有益な情報を適切なタイミングで届け、顧客と良好な関係を築くマーケティングの手法です。インバウンドマーケティングを成功させるためには、顧客の購買プロセスを理解し、各プロセスで顧客に対して適切なコミュニケーションを行う必要があります。これからインバウンドマーケティングに取り組む場合は、顧客の理解から始めるとよいでしょう。

以下の記事では、インバウンドマーケティングの代表的な手法である「SEO」について、ビギナーでも分かりやすく解説しています。既にSEOに着手しているが思うような成果が得られない方も、ぜひ参考にしてみてください。