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2019.06.07

川谷 咲良

MARKETING

損をするのが怖い人必読!「プロスペクト理論」を徹底解説

WRITER

川谷 咲良

株式会社PLAN-B 事業統括本部 インターネット広告事業部西日本

大阪大学人間科学部を卒業後、2018年4月にPLAN-Bに入社。インターネット広告事業部西日本にて、主に広告の運用などを担当。

目次
    1. そもそもプロスペクト理論って? 
      1. まずは一言で!
      2. 具体的にどういうこと?
      3. プロスペクト理論を形成する、人間の損失回避性って?
      4. フレーミング効果との違いは?
    2. マーケティングにどう役立つ?
      1. 価格決定の基準になる、「参照価格」
      2. この理論を応用したアピール方法
    3. まとめ

「広告を出してみたけどなかなか成果が出ない…」
「どんな言葉がユーザーに刺さるのかわからない…」

そんなマーケティング担当者の方!

人間の損得勘定を左右する「プロスペクト理論」。ここでは、その詳細とマーケティングへの活かし方を徹底解説します。これを読めば、マーケティングの言葉選びが変わる!


そもそもプロスペクト理論って? 

まずは一言で!

宝くじやパチンコ、競馬などのギャンブルで、どれだけお金を賭けるか迷った経験はありませんか?

自分の出したお金に見合ったものは返ってくるだろうか?大きなお金を出して大失敗したらどうしよう…そんな気持ちになったことがある人は多いのではないでしょうか。

そんなときの心の動きに関係するのが、プロスペクト理論です。

「プロスペクト理論」を一言でまとめると、

 「損したくない!!!!」

という人間が行動を選択する際の心理のことです。「利益を得る」場面では、確実に取れる利益を確実に。「損失がある」場面では損失の全面回避を最優先に。これがプロスペクト理論です。

具体的にどういうこと?

上の説明だけでは「イマイチぱっとしないなあ…」という方も多いのではないでしょうか。そこでよく説明に用いられる有名なコインの例を挙げて説明します。

例えば、このような場面を想像してみてください。

コインを使ったゲームが行われます。参加するかどうかはあなたの自由です。

 <ゲームのルール>

コインを投げて

  • 表が出る→100万円をもらえます。
  • 裏が出る→50万円を失います。

ゲームに参加しない場合、無条件に20万円を手に入れることができます。

あなたはゲームに参加しますか?

ゲームに参加しない人が大多数

この問に対し、多くの人はゲームに参加せず、確実に20万円を手に入れることを選びます。50万円失うリスクを背負うくらいなら、小さくても確実な20万円の利益を選びます。ハイリスク・ハイリターンよりも、ノーリスク・ローリターンを好む。そんな人間の心理が働いている典型例です。

では、こんな場合はどうでしょうか。あなたは50万円の借金を抱えています。そこに、借金返済を掛けたこんなゲームの話が飛び込んで来ました。

<ゲームのルール>

コインを投げて

  • 表が出る→100万円をもらえます。
  • 裏が出る→50万円を失います。

ゲームに参加しない場合、無条件に20万円を手に入れることができます。

先程とゲームのルールは全く同じです。しかし、こちらの場合は、ゲームに参加することを選ぶ人が多いのです。損をしている現状があるなら、それをどうにか少しでも無くしたい!と考えます。確実な損がある場合にそれを全面回避したいと思う、人間の心理の現れです。

プロスペクト理論を形成する、人間の損失回避性って?

具体例を見てきたところで、この「プロスペクト理論」の基になる、人間の損失回避性について学びましょう。損失回避性とは、「得を求めるよりも損を避ける」人間の心理傾向のことです。

損失回避性

損をする可能性を感じた瞬間、必要以上に保守的になったり、リスクに恐怖心を感じたりしてしまいます。

フレーミング効果との違いは?

損失回避性から派生したものとして、「プロスペクト理論」と一緒によく出てくるのが「フレーミング効果」です。これは、同じ内容でも表現によって印象が変わる、という効果を指しています。

 突然ですが。

  • A:成功率95%の手術
  • B:2000人中100人が死亡する手術

 あなたはどちらの手術を受けたいですか?

どちらも、95%成功・5%失敗という点では同じ手術です。しかし、「Aの手術を受けたい」と感じる人が多いのではないでしょうか?理屈で考えると同じ内容でも、プラスの面を見せるのかマイナスの面を見せるのかで大きく印象が変わります。

プロスペクト理論は損失回避性に基づいた「行動選択」の理論。フレーミング効果は損失回避性に基づいた「印象操作」の理論。このように考えるとわかりやすいかもしれません。

プロスペクト理論とフレーミング効果

参考:「ビジネスのためのWeb活用術。」


マーケティングにどう役立つ?

価格決定の基準になる、「参照価格」

参照価格とは、「この商品はこのくらいの価格が妥当だ」というような、消費者それぞれの価格の判断基準のことです。この参照価格より高いか安いかで、消費者は得か損かを判断します。

そして、プロスペクト理論に基づくと、人間は「得をしたい」という気持ちより「損をしたくない」という気持ちが強いです。

参照価格を参考に商品の価格設定を行うこと、そして「この商品を今買わないと損だ」と思わせること、「損をしたくない」という気持ちを掻き立てることが効果的です。

この理論を応用したアピール方法

では、具体的に、どのような訴求が消費者に刺さるのかを考えてみましょう。

まずは、こちらの例を見てください。

  • A:このまくらを使えばあなたはぐっすり眠ることができます。
  • B:あなたがぐっすり眠ることができないのは、自分に合ったまくらを使っていないからです。

 AとB、どちらの文章が印象に残りますか?

繰り返しになりますが、人は損することが嫌いな生き物です。

「まくらを使うことによるメリット」を訴求したAよりも、「まくらを使わないことによるデメリット」を訴求したBの方が、人の心を動かします。

プロスペクト理論を使った訴求例

つまり、極端に言うと、「今買うとお得!」より「今買わなきゃ損!」の方が、「3日間3割引します!」より「3日後に3割値上げします!」の方が、消費者の心には刺さりやすい、ということです。

(「よくわからない…」という方は増税前の駆け込み需要なんかを想像してみてください。)

自社商品のプロモーションを考える際、HPのコンテンツを考える際、広告の内容を考える際などに参考にしてみてください。


まとめ

ここまでの内容をまとめると、人間は、「得をしたい<<<損をしたくないという気持ちの強い生き物だということです。

「プロスペクト理論」とは、その気持ちを人間の行動選択に落とし込んだ理論です。

これを意識するだけで、営業においても、マーケティングにおいても、言葉の使い方や表現の仕方に一工夫できるのではないでしょうか?