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インターネット広告
2022.04.21
2020.06.28
ライター: 五十嵐 和希
マーケティングがデジタル化し、マーケティング施策としてオンライン広告の出稿が一般化するなかで、多くのDSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)が登場しました。
それは、広告主からするとDSPの選定が難しくなったことを意味します。そこで、このコラムではDSPの仕組みといった基本的なところから、国内主要DSPの紹介、DSP選定時のポイントまでを丸ごと解説していきます。
まずは、DSPの仕組みを簡単におさらいしておきましょう。
DSPとは、Demand-Side Platform(デマンド・サイド・プラットフォーム)の略称で、広告配信を希望している側、つまり広告主側のプラットフォームです。DSPとは、広告出稿の費用対効果を高めたい広告主のためのサービスです。
これと対になるのがSSPと言われるプラットフォームです。SSPとは、Supply Side Platform(サプライ・サイド・プラットフォーム)の略称で、広告枠を提供している側、つまりメディア側のプラットフォームです。SSPは、広告枠をなるべく高く買ってもらいたい媒体側(メディア)のためのサービスといえます。
DSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)は、次のようにSSP(サプライ・サイド・プラットフォーム)と連携しながら配信面に広告を表示させています。
【広告配信までのながれ】
私たちがサイトを閲覧したとき、広告が表示されるまでの間にこのような手続きが行われています。
「枠」への出稿では広告主がターゲットとしていないユーザーにも広告が表示されているのですが、DSPでは広告主がアプローチしたいユーザーにのみ広告を配信するため、コストパフォーマンスが高いこともDSPを活用することの利点です。
次にDSPが登場した背景をおさらいします。
インターネット、スマートフォンの普及によって、情報収集や購買行動の多くがインターネット上で行われるようになりました。
それに伴って企業のマーケティングも次第にインターネット上で行われるようになり、広告も従来のマス広告からインターネット広告へ参入するようになりました。
インターネット広告が始まったばかりの時代は広告主が媒体側から直接広告枠を買い付ける方式でしたが、入稿の手間や管理の問題から、複数の媒体の広告枠を一元管理するアドネットワークが生まれ、そのアドネットワークをまとめるアドエクスチェンジが生まれ、広告主と媒体側にとってより効果的かつ楽に管理ができるように変化していきました。
また広告主のニーズも、技術の進化に伴い、広告の仕組みがより効果的にone to oneで配信できるように発展していったことで、アプローチしたい顧客に必要最低限のコストで過不足なく広告を配信していきたいというものに変化しました。
そして、DSPはそんな変化の中で生まれた仕組みであり、数の増えたアドエスクチェンジやアドネットワークを管理するために生まれました。
上述したようにDSPは広告主側のプラットフォームであり、同時期に媒体側のプラットフォームであるSSPも生まれ、DSPとSSPが接続することで、広告主側は手間なく様々なサイトを横断して広告配信ができ、媒体側も簡単に広告枠を売ることができるようになりました。
DSPは複数のアドネットワーク、アドエクスチェンジ、SSPへの広告の配信を管理しているので、DMPと連携活用することによって、ターゲットとするユーザに対して効果的に広告を配信をすることができます。
DMPについては以下の記事で詳しく説明されているのでチェックしてみてください。
参考:DMP?ビッグデータ?混同しがちなデータ領域のマーケティング用語を徹底解説!
そして、このような仕組みを持った数十というDSPがしのぎを削っています。国内では、特に下表に挙げたDSPがよく知られています。
DSP/運営企業 | 特長 |
---|---|
ADMATRIX DSP | 国内最大規模のIPアドレスデータベースとの連携により、多種多様なカテゴリからターゲットを設定可能。 |
Criteo (CRITEO株式会社) | ターゲットの行動履歴に応じて表示させる「自動最適化」の評価が高い、サイト外レコメンド機能がある。 |
FreakOut (株式会社フリークアウト・ホールディングス) | 多量の広告枠にアクセスできるため、多くのユーザーに広告配信ができる。アトリビューション分析、レコメンドバナー配信機能など機能が豊富。 |
DBM【DoubleClick Bid manager】 (Google) | Google AdWordsのように、Googleが提供している広告枠に限定されず、Facebook ExchangeやOpenXなど他のSSPにも配信できる。AdWordsで使ったターゲティングやリマーケティングリストの活用が可能。 |
Logicad (ソネット・メディア・ネットワークス株式会社) | シミュレーションにより複数のレコメンドプランを自動で提案、ターゲットの設定や分析が細かくできる。 |
MicroAd BLADE (株式会社マイクロアド) | 国内の代表的なアドエクスチェンジやSSPと連携し、国内最大規模の売上シェアを誇る国産DSP。初心者でも使いやすく分かりやすい管理画面が利用可能。 |
Yahoo!プレミアムDSP (Yahoo!Japan) | 日本最大のユーザー数を持つYahoo!Japanへの出稿が可能。月間3億以上のユニークユーザー数を分析する最適化機能が特長。モバイルにも対応。 |
このように、今日では特長の異なる多数のDSPが存在しています。そんななかから、自社のマーケティング戦略に最適な1社を見つけるには、次の4つのポイントから検討することが大切です。
DSPによっては、PCのみ、あるいはスマートフォンのみに対応しているというケースがあります。また両者に対応していても得意なデバイス、不得意なデバイスがあり、確認が必要です。
DSPごとに連携しているSSPが異なるため、例えばYahoo!に出稿できるDSPとできないDSPが存在します。どのようなSSP、そして媒体と連携しているかの確認が必要です。
また、広告主がターゲットとしている層がよく閲覧している媒体が対象になっているかどうかも重要なポイントになります。
前項で挙げた基本的なユーザー情報へのターゲティングは、概ね各社とも対応していますが、例えば地域や天気などの要素によるターゲティングを行っているDSPもあります。
優先して出稿したい媒体(ホワイトリスト)、また出稿しない媒体(ブラックリスト)への対応が可能かどうかもDSP選定のポイントです。そして、DSPの選定では動画広告の配信も視野に入れておく必要があるでしょう。
スマートフォンの爆発的な普及や、YouTubeなど動画視聴サービスの拡大により動画市場が急速に拡大しています。この動きに伴い、動画広告市場も大きく成長しており、video-ad.netの調査によれば、2013年には132億円だった動画広告市場は2017年に640億円に達すると予測されています。
一般広告と同様、動画広告においてもDSPが大きな役割を果たしており、その選定の留意点を紹介しましょう。
まず、動画広告では、いつ、どのメディアで、どのようなユーザーの反応を得たのかというデータを動画DSPが取得し、それを踏まえて次回以降の動画広告をさらに効率的に配信する最適化機能が重要になります。
また、スマートフォンやタブレットなどでの動画視聴が多い若い世代をターゲットとしている場合、DSPのデバイス対応状況を確認することも重要でしょう。国内の主要な動画DSPには、次のようなものがあります。
DSP/運営企業 | 特長 |
---|---|
TubeMogul (株式会社チューブモーグル) | 米国発の世界的事業展開企業。サイトごとの広告効果の確認や配信する地域・時間を詳細に設定できる特徴があり、モバイルにも対応。 |
Unruly (アンルーリージャパン) | 英国発アドテクノロジー企業。2兆ビューに達する動画視聴データや、動画に対する視聴者の感情を分析する機能などが特長。 |
これらのほか、動画広告配信のネットワークとしては株式会社オムニバスのOVX(オムニバス・ビデオ・エクスチェンジ)もあります。OVXは、参加できるメディアと広告主が限定されたPMP(プライベートマーケットプレイス)です。
最近では、公序良俗に反するコンテンツや著作権侵害などの不正を行うコンテンツで自社の広告が配信されてしまい、ブランド毀損につながってしまうというトラブルも各所で発生しています。
特に、動画広告の場合は認知拡大やブランドリフトといった効果が期待できる反面、不適切なコンテンツで配信されてしまった場合にはブランド毀損のリスクも大きくなってしまいます。そのため、OVXのようなPMPで動画広告を配信することでトラブルの発生を回避することも検討する必要があるでしょう。
これまでDSPの仕組みや種類、選択時のポイントなどについて紹介してきましたが、実際に活用する前には、メリットとデメリットも把握しておくことも大切です。
まずはメリットを3項目ピックアップしてご紹介します。
従来のディスプレイ広告の特徴といえば、特定の「広告枠」に広告を掲載していました。
しかし、DSPの場合は枠に出すことを目的としているわけではなく、特定のユーザーに向けて広告を配信することを目的にしています。
特定ユーザーを選定する基準としては、年齢・性別・地域などのデモグラ情報に加え、WEB上での行動(検索履歴や閲覧サイトのカテゴリなど)すべてになります。
その中で、条件に合った「ユーザー」へ広告を配信することができるのです。
通常のディスプレイ広告で「最適化」を行うためには、クリエイティブのABテストなどでPDCAを見つけていく必要があります。
しかし、それでは工数も時間も無限にかかってしまいます。
DSP広告であれば、その最適化を一瞬でシステムが判断し、常にユーザーにとって最適なクリエイティブを配信できます。
DSP広告では、特定のサイトの広告枠だけではなく、様々なサイトに広告を配信することができます。
また、配信ボリュームの細かな調整も可能で、期間や行動などの入札調整ができます。
配信したいユーザーを具体的に考えているのであれば、これらの調整を行うことにより、より期待の高い配信が叶います。
次にどのようなデメリットがあるのかを紹介します。
DSP広告を始める際は、デメリットも含めて検討しましょう。
DSP広告のデメリットの1つとして、どのサイトに配信されるか事前にはわからないということが挙げられます。
勿論全てのDSP広告の配信先が不明ということではありませんが、配信先がわからないままでは広告と接触したユーザーの情報も不明なままであるため、例えばコンバージョンユーザーを基にした最適化などが難しくなります。
広告を配信する際に発生する費用は広告費だけと考えている人もいるかもしれませんが、DSP広告の場合は広告費以外にも発生する費用があります。
種類によりますが、手数料や初期費用が発生する場合もあることを踏まえて利用しましょう。
DSP広告は細かくユーザーを絞り込んで配信できますが、種類によって保有しているデータが異なるため、効果面で優れているターゲティングとそうないターゲティングがあります。
ターゲットユーザーを具体的にした上で、最もターゲットに合った種類を選定することが大切です。
DSP広告には、2パターンの課金方法があります。
それぞれ配信の目的によって適切なパターンが変わってくるため、目的に応じて選定しましょう。
まず1つ目は、CPC課金です。
この課金方法では、広告が「クリックされるごと」に費用が発生します。
逆に言えば、広告が配信されただけでは費用が発生することはありません。
クリック数=広告費の課金方法になります。
クリック率が低いほど1クリックあたりの単価も低くなります。
コンバージョンが明確なECなどの販売商材向きの課金方法です。
また、DSP広告での1クリックあたりの単価は種類にもよりますが、50円前後のものもあれば、高くても100円程度となっています。
もう1つの方法が、CPM課金になります。
CPCがクリック課金であることに対し、CPMはインプレッション(広告表示)に対する課金方法です。
しかし1インプレッションごとに費用が発生するのではなく、「1,000回表示される」ごとに課金される仕組みとなっています。
広告の遷移後に明確なコンバージョンがなく、ユーザーと広告を接触させることが目的のブランディングなどに向いている課金方法です。
このCPMの相場は、100円から500円程度の価格帯が多い傾向にあります。
多くのインターネット広告がDSPにより出稿されている現在において、DSPの選定は企業の広告戦略の成否を左右する重要事項です。
数十のDSPが乱立する中で、一見同様のターゲティングにより広告を配信しているように見えるDSPにも細かく見ると様々な違いや得意・不得意が見られます。
本コラムを参考にして、ぜひ自社のマーケティング戦略にふさわしいDSPを選択してください。