
【5分でわかる】GTM(Googleタグマネージャー)の設定方法
インターネット広告
2021.06.10
運用型広告ではアカウントのチューニングをしながらPDCAを回し続けることが重要ですが、大きな変更はリスクを恐れてなかなか実施できないことも少なくありません。
この記事では、そんな時に便利なGoogle広告の下書きとテスト機能についてご紹介したいと思います。
下書きとテストは、キャンペーンに適用する変更を、本適用の前に事前に検証することができる機能です。2021年9月現在、Google広告のみにある機能です。
機能の大枠としては、文字通り「下書き」状態のキャンペーンを作成し、そのパフォーマンスを既存のキャンペーンと比べることができます。
簡単に言うとABテスト機能なのですが、下書きとテストを利用すると、正しい検証結果を得るために必要な手順を誰でも簡単におさえることができます。
デジタルマーケティングの世界ではあらゆる指標が数値化され、それらの中からKPIとして設定した項目を様々な手を尽くして改善していくのが基本です。
そんなときマーケターは数ある施策の選択肢から、最も成果にインパクトする施策を優先的に講じなければいけないわけですが、施策前から効果を予測することは困難ですよね。
そのような場面で、多くのマーケターはABテストをすることでどの施策が最も得策か見極めようとします。しかしこのABテスト、使い方を誤れば間違った意思決定をしてしまうことも少なくありません。
検証対象をする母集団はAパターンもBパターンも同じユーザー群でなければなりません。また、期間についてもそうです。
よく、施策実施の前後比較をする場合もありますが、この場合も季節や曜日の要因による成果ブレの可能性を排除できていません。例えばLPの検証をするとなったら、基本的にはLP以外の項目には一切変更を加えないべきです。
ABテストをして得られた結果のはずなのに、適用してみたらもともとよりCVRが落ちたなんていう経験はありませんか?
その場合、統計学的観点では有意差がなかったかもしれません。専門的な分野になるので本記事では割愛しますが、本来のABテストは「Aパターンが勝つ確率が95%以上」というように、たまたま勝ったわけではないということを証明できる形で検証を終了すべきです。
では、下書きとテスト機能についてもう少し深堀してみましょう。
既存のキャンペーンに影響を及ぼすことなく、キャンペーンに複数の変更を加えて準備することができる機能です。下書きを作ったらそのまま既存キャンペーンにその内容を適応することも可能ですが、その前に一度「テスト」を挟んでパフォーマンスを確認することもできます。
作成した下書きを本番適用する前に、一度効果検証を挟むことができる機能です。テストの際は、テスト期間を設定できるほか、元キャンペーンとのトラフィックと予算の割合を任意で設定することが可能です。テストが始まると、パフォーマンスの比較を管理画面上で確認できるようになります。
先に述べたように、ABテストでは検証対象以外の変数を極力除外したうでテストを実施するのが重要だとお伝えしました。
下書きとテスト機能では、元あるキャンペーンをコピーして編集を加えることができるため、検証対象以外の要素を揃えることが容易です。また、元のキャンペーンvsテストキャンペーンでユーザーに見せる割合を任意で決めることができるため、同一期間内にそれぞれのキャンペーンに対してランダムにテストを実施することができるのです。
下書きとテスト機能を使って、テストの期間が終わると配信結果がスコアカードで表示されます。
などの項目が確認できるので、元キャンペーンの結果と比べましょう
また、その際に有意差を見ることもできます。
統計学の知識などなくても、そのテストが統計学的観点で有意なものかどうかを判断してくれる便利な機能です。統計的に有意か否かと実際のパフォーマンスを見て、テストキャンペーンに加えた変更を元のキャンペーンに適応するか判断しましょう。
下書きを作成する際は、まずメニュー左側の「下書き」を選択します。下書きの追加ボタンをクリックし複製対象のキャンペーンを選んだら、分かりやすい下書きの名前を設定しましょう。
複製した状態の下書きが作成できたら、そこに今回のテストで検証したい内容に関する変更を加えてください。メニュー左側の下書きキャンペーンを選択したら、あとは通常のキャンペーンの操作と全く同じです。
キャンペーンの下書きを準備できたらテストに移ります。おなじくメニュー左側から「キャンペーンのテスト」を選択します。
テストをする下書きを選んだら、
これらを任意の内容で設定してください。
テストを開始したら、経過を観察する以外に必要なことは基本的にありません。メニュー左側から該当するテストを選択すると、テストキャンペーンのパフォーマンスを確認することができます。
また、先に述べたように掲載結果には統計的に有意であるかどうかも掲載されます。もし実施したテストの成果が好調で、かつ統計的に見ても有意なようであれば画面右上にある「適用」を選択することですぐに既存キャンペーンに上書きすることができます。
Google広告ではスマート自動入札が推奨とされていますが、現在でも手動入札を使われている方も多いのではないでしょうか。また、自動入札なかでも今使っているものから別のものを試してみたいという場面も少なくありません。
そんな時は、下書きとテストを活用することでリスクを抑えながらも今後の示唆になりうる結果を得ることができます。
スマート自動入札の活用とともに利用することが推奨されている部分一致ですが、現在のアカウントが完全一致やフレーズ一致を利用した構成になっている場合、マッチタイプを広げるのはなかなか勇気がいるのではないでしょうか。
そんな時、同じ文字列でマッチタイプのみを変更したキーワードを準備して検証することで、安心して部分一致へ移行することができます。
例えば実店舗型のビジネスで、店舗がある地域のみに広告を配信しているキャンペーンや、BtoBのキャンペーンで営業時間のみに配信を限定しているキャンペーンでは、エリアの拡大や配信時間の変更をすることでコンバージョンが増えることも多いです。
しかし、エリア変更や時間の変更をすることで社内のオペレーションも変更しなければならない場合などは、テスト機能を使うことで予めどの程度の反響があるのかを見極めてから、決断に踏み切ることができます。
広告運用を続けていると、短期間で必ず成果を上げなければならないときや、施策をやりつくしてアカウントに手詰まり感が出てくることはよくあります。
そんなとき、リスクを恐れるがあまり、なんとなく手堅い施策を選んでしまっていませんか?
下書きとテスト機能を使えば、リスクを一定に抑えつつも正しい判断基準を持って今あるアカウントを一歩前に進めることができます。使い始めれば簡単で便利な機能なので、ぜひこの機会に試してみてください。
また、そもそも検証する次の一手が思いつかない、考えている暇がないという広告主の方がいらっしゃれば、ぜひ一度PLAN-Bにお問い合わせください。