大手旅行代理店出身のアドマンが教える「最新インバウンドマーケティング」[後編]

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「大手旅行代理店出身のアドマンが教える「最新インバウンドマーケティング」[後編]」では私の経験をもとに欧州向けプロモーションの特性やコツなどについてお伝えさせて頂きます。アジア向けプロモーションや訪日動向全体についてお知りになりたい際は以下より[前編]をご覧ください。


欧州向けインバウンドプロモーションの特性

前回はアジアについてご説明をさせて頂きましたが今回は欧州向けのプロモーションについてご説明をさせて頂きます。

まず初めに、ここでの欧州とは主にイタリア、スペイン、スウェーデン、オランダ、フィンランド、ベルギー、デンマーク、オーストリア、ノルウェー、ポーランド、イスラエル、トルコ、ロシアなどを指しています。

 2016年度におけるヨーロッパ全体での訪日外客数については前年と比較し14.2%の伸率で1,422,032人となっております。アジアに比べ外客数はまだまだ少ないですが、それでも2016年の夏頃の外客数は1月と比較すると約2倍近くにまで増加しています。

訪日外客数推移(ヨーロッパ計)

そもそも、なぜ欧州の訪日外客数はアジアと比較した場合に少ないのでしょう?細かい要因は様々ですが大きな要因としては2つあります。

1つ目はアジアと異なり欧州内での日本という国の認知度が低いということです。JNTO(日本政府観光局)が発表しているマーケティングデータなどでも確認できますが、全体的に日本の認知度は低く、それに応じて興味や関心も低いため、訪日意欲を抱いてもらうフェーズまでまだまだ至りづらいということがあります。

2つ目は国の意向として主要国(イギリス、フランス、ドイツ)を除く欧州においてのプロモーション強化を図り始めたのが平成25年頃、つまり日本国としてようやく欧州への認知度強化施策を始めたのが最近だからだと考えられます。

そもそも実施をしていたとしても本来必要なマーケティングが行われていないため、ターゲットやセグメントなどの設定が不明確で、効果的なプロモーションを行うことが出来ないと判断できます。

 上記より「訪日前」「訪日中」「訪日後」と各フェーズに置き換えた場合、欧州では「訪日前」に重点を置き、事前に日本を知ってもらうことこそ、旅行サイトで予約をしてもらうためのプロモーションキーとなります。


欧州向け 認知施策の特徴

欧州の場合、基本的にはマスメディアと連携した海外向け広告施策が一般的となります。

インバウンドマーケティング戦略

例えば、CNN(アメリカ合衆国のケーブルテレビ向けのニュース専門放送局)やBBC(イギリスの公共放送局)で海外CMを出稿する一方で動画広告やディスプレイ広告を併用で実施するという施策パターンです。

動画広告やディスプレイ広告だけでは母数を獲得できないため、CMを活用し1人でも多くの視聴者に対して情報を届け、CM最後にネットへ誘導するためのコンセプトワードを挿入、興味をもったユーザーをサイトへ誘導するという仕組みです。

実際に私が携わってきた欧州向けプロモーションでは、ネット単体でプロモーションを行なうよりもテレビCMを掛け合わせた方がリーチ、誘導率、コンバージョン率共に想起率が高まったという経験があります。


欧州向けプロモーションでよく使われる広告媒体

ここでいくつか欧州向けプロモーションでよく使われる広告媒体を紹介させて頂きます。


訪日前の旅行客に対して有効な広告媒体 / 欧州向け

グーグルアドワーズ ディスプレイ広告(インタレストターゲティング)

国内でも実施を行なうグーグルのディスプレイ広告です。国内とは異なり、海外では広告バナーに関する嫌悪感は低いため、基本的にはクリック率は国内プロモーションの1.5倍ほどとなります。バナークリエイティブを作成する際は「観光」「食」などといくつかの切り口を準備し配信することを推奨します。


グーグル動画広告(通常ターゲティング)

BBCやCNNのCM配信の裏側で、配信されるものがグーグルの動画広告となります。CM素材を編集して使用されることがほとんで、視聴率毎にリマーケティングリストを蓄積し、リストに対して興味関心レベルに合わせたディスプレイ広告を配信するという手法も一般的です。最近の傾向としてはスキップ型広告よりも強制的に視聴をさせる配信手法の方が後々の態度変容にプラスの動きがあるとも言われています。


Facebook広告

グーグルや百度などの検索エンジンを活用した広告媒体とセットで展開されることが多いSNSの代表的メニューです。基本的にSNSは旅行前でも旅行中でも大半が活用する媒体になるため、大きなリーチを期待できます。


TubeMogul

TubeMogul(チューブモーグル)とはオムニバス社が提供する動画広告に特化したDSPを指します。海外への動画配信を得意としており、RTB(リアルタイム入札)が可能なため幅広いユーザーに対してのアプローチが可能となります。注意点としてはプレロール型の配信枠が多いため、サイト内のディスプレイ部分に動画配信を行なうインバナー型の動画にも配信を行いたい場合などは、グーグル社のDBM(DoubleClick Bid Manager)などの掛け合わせを推奨します。

海外におけるGoogle利用率


海外プロモーションにおける落とし穴(予算の配分と配信時間については要注意)

海外向けプロモーションで注意すべきことはたくさんありますが、今回は特に忘れがちな重要ポイントを2つご紹介させて頂きます。

1つ目は予算の配分です。一般的に国内プロモーションであれば媒体や目的、年間での需要期や閑散期をある程度加味していれば予算配分は明確化され、上手くプロモーションを実施することが出来ます。

しかし、海外プロモーションの場合、国内のように都道府県や市区町村レベルではなく国ベースになるため人口比率に合わせて予算設定を行わなければ、最適なプロモーションを実施出来ない可能性が非常に高まります。

従いましてまずは全体予算を人口比率に応じて均等配分し、そこから強化国とそうでない国を振り分け、配分を行なう必要があります。

もう1つの重要ポイントは配信時間です。

通常の国内プロモーションではあまり気にしない配信時間ですが、こちらもしっかりと広告配信地域を対象国に合わせ、配信時間を現地時間に設定を行っていなければ、深夜の寝静まった時間帯に広告が表示され全くクリックされないということも十分にあり得ます。


まとめ

前編ではアジア領域において、後半では欧州領域においてご説明させて頂きましたが、いかがだったでしょうか?

近年、行政のコンペ案件では欧州プロモーション、一般企業などのリアル店舗集客やEC系であればアジア向けプロモーションといった形で棲み分けされている傾向が見られます。いずれにせよ、国内での予算取りが難しくなっている今日の脱却策として海外向けの予算を獲得するために、既存クライアントへ働きかけてみてはいかがでしょう。

きっとあなたのすぐそばにも海外プロモーションを行いたいが、方法が分からず困っているマーケティング担当などが存在していることかと思われます。