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2019.11.08

浅井千明

SEO SOLUTION

BERTとは?Googleの最新技術とSEOへの影響を徹底解説

WRITER

浅井千明

株式会社PLAN-B 事業統括本部 Webコンサルティング事業部

神戸大学発達科学部人間表現学科・同大学院を卒業後、2019年に新卒としてPLAN-Bに入社。
内定時は人事部にて採用活動の一部を担当。入社後はWebコンサルティング事業部配属。

目次
    1. Googleの最新技術、BERTとは
      1. そもそも”BERT”って何?
      2. 何がすごい?BERTの特徴とは
        1. これまでのNLPによる言語処理
        2. BERTによる言語処理
    2. BERT導入の背景と導入後の影響とは
      1. なぜ検索エンジンに採用された?BERT導入の背景とは
      2. BERT導入によりGoogleの検索結果はどう変わるのか?
        1. 改善事例①
        2. 改善事例②
    3. BERT導入に備えてやるべきSEO対策とは?
    4. まとめ

Googleは2019年10月25日、最新の自然言語処理技術”BERT”を検索エンジンに採用したと発表しました。

発表時点での実装は英語圏のみですが、「過去最大のアップデート」などと日本メディアでも大きく取り上げられており、今後のSEO対策への影響を気にしている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、BERTとはそもそもどういう技術で何が特徴なのか、導入の背景や今後のSEO対策を踏まえてご紹介します。

Googleの最新技術、BERTとは

今回Googleが検索エンジンに導入した最新自然言語処理技術である”BERT”。

まずはそもそも自然言語処理技術とは何か、中でもBERTとはどういう特徴があるのかについてご説明します。

そもそも”BERT”って何?

今回、Googleが検索エンジンに採用したBERTとは一体何なのでしょうか。

BERTとは、自然言語処理技術(以下NLP: Natural Language Processing)の一種で、“Bidirectional Encoder Representations from Transformers”の頭文字をとったものです。

そもそもNLPとは、私たち人間が使う言語をコンピュータに理解させるための技術を指します。

Google検索で、検索エンジンが私たちの検索意図に合わせて適切なサイトを表示するために、このNLPが人間の検索ワードをコンピュータに理解させてくれているのです。

つまり今回のアップデートで、最新のNLPであるBERTが検索エンジンに採用されたということは、私たちの検索ワードをより深く理解するためのGoogleの試みと言えるでしょう。

何がすごい?BERTの特徴とは

では実際に、BERTとは他のNLPと違って何がすごいのでしょうか。ここではデータ処理の仕組みや学習工程については触れず、検索エンジンとして機能する特徴をご紹介します。

なんといってもBERT最大の特徴とは、文章における「文脈を理解できること」です。

言い方を変えると、これまでのNLPでは私たち人間が話す文章のうち、それぞれの単語については理解できるものの、その単語同士のつながり、つまりは文脈を読み取ることはできませんでした。「魚介じゃないラーメン」というワードを例に、その特徴をご説明したいと思います。

これまでのNLPによる言語処理

例えば、現在BERTが導入されていない日本語のGoogle検索で「魚介じゃないラーメン」と検索すると、検索結果画面には「魚介ラーメン」の店舗ばかりが表示されます。

つまり、現在のNLPは「魚介じゃないラーメン」と「魚介 ラーメン」がほぼ同様に認識されているということです。

なぜこのようなことが起きるのでしょうか。

これまでのNLPでも「魚介じゃないラーメン」というワードを、「魚介」「じゃない」「ラーメン」という3つの要素に分解し、個々を個別に理解することは可能でした。

しかし、英語の”not”にあたる「じゃない」という単語が文法上「魚介」にかかっているということが認識できなかったため、結果的に文章の中で意味が明確な「魚介」「ラーメン」という2語が強調されたというわけです。

では、BERTでは「魚介じゃないラーメン」をどのように認識するのでしょうか。

BERTによる言語処理

BERTはNLPの中でも、文章の文脈、つまりは文法を理解することができるのがその特徴です。

つまり、「魚介じゃないラーメン」のうち、「じゃない」という単語が「魚介」にかかるという文法上の構造を理解することができるのです。

将来的に、BERTが日本の検索エンジンに導入された際、「魚介じゃないラーメン」で検索すると、その検索結果画面は「魚介 ラーメン」とは全く異なるものになるかもしれません。

このようなBERTの処理能力の高さは、今回例にした「魚介じゃないラーメン」のような短いワード以上に、「銀座駅で10分以内に魚介じゃないラーメンを食べたい」などの文章となった場合に、より力を発揮すると推測されます。

BERT導入の背景と導入後の影響とは

ここまでで、BERTが他のNLPとどう違うのか、その特徴をわかっていただけたかと思います。では、この最新技術BERTがなぜ今検索エンジンに用いられることとなったのでしょうか。またBERTにより検索結果画面はどう変化するのでしょうか?

なぜ検索エンジンに採用された?BERT導入の背景とは

導入背景には大きく2つの理由が挙げられます。まず一つはモバイル端末の普及による検索クエリの多様化です。

近年、モバイル端末の普及によって、ユーザーの検索するデバイスもPCやデスクトップから、スマホが主流になりつつあります。この移行に伴って、「検索する」という行為は間違いなく私たちにとってより日常的になりました。

これによって、検索ワードが多様化したことで、検索エンジンにもより高い処理能力が求められるようになったことが背景にあります。今でも日々Google検索で検索されるワードの15%は全く新しいワードだそうです。

またAndroidを搭載するスマートフォンのGoogle検索では、「OK Google」と呼びかけるだけで、音声で検索できる機能が備わっており、会話するような文章で検索するユーザーも増えてきています。

この音声検索や文章での検索が増加したことで検索ワードが複雑化したことが、もう一つの導入背景だと考えられます。

ComScore社の調査によると、「すべての検索の50%が2020年までに音声検索になる」※1と言われているだけでなく、「検索の約30%は2020年までに画面なしで行われます」※2と予測した調査データも存在します。

音声検索について詳しくしりたい方は次の記事を参考にしてみてください。

検索は“声の時代”へ|音声検索に対応するコンテンツとは

このように、検索という行為の日常化や音声検索の増加によって、検索ワードが多様化・複雑化したことが、今回のBERTの導入背景として挙げられます。

※1 campaign:Just say it: The future of search is voice and personal digital assistants
※2 MediaPost:Gartner Predicts 30% Of Searches Without A Screen In 4 Years

BERT導入によりGoogleの検索結果はどう変わるのか?

では、多様化・複雑化したクエリを理解するためにBERTを導入すると、Google検索はどのように変化するのでしょうか。

実際にGoogleはBERT導入前後の変化について、いくつか例を挙げています。

改善事例①

■検索ワード:”parking on a hill with no curb”(縁石のない坂道に駐車)

■BERT導入前:それぞれの単語を個別に理解する従来のNLPでは、”curb” (縁石)の直前の”no”がどの単語にかかるのかを理解できないため、「縁石のあり/なし」に関係なく、「上り坂と下り坂の駐車方法の違い」を説明するページを上位表示させる。

■BERT導入後:まず”no”を”curb” (縁石)にかかる語として認識し、”no curb”(縁石のない)の意味を汲み取れます。その結果、「縁石のあり/なし」における駐車方法の違いを説明したページを上位表示させる。

改善事例②

■検索ワード:”2019 brazil traveler to usa need a visa”(2019年、アメリカに行くブラジル旅行者はビザが必要)

■BERT導入前:目的を示す”to”の文法上の意味や前後のつながりを理解できないため、旅行する主体をアメリカ人にしてしまう。その結果、アメリカ人がブラジルを旅行する際のビザに関する情報ページを上位表示させる。

■BERT導入後:文中の”to”と前後の関係を理解し、質問通りブラジル人を旅行の主体として認識できる。その結果、アメリカ大使館がブラジル人旅行者向けに提供しているビザ情報ページを上位表示させる。

このように、すでにBERTが導入されている英語圏のGoogle検索では、「魚介じゃないラーメン」で示したように、文章の文脈理解を反映させた検索結果が表示されています。
現在、英語圏でのGoogle検索で、上記のような改善事例は検索結果全体の10%に見られたそうです。


BERTの言語処理技術は強調スニペットにも影響します。
また強調スニペットにおいては、現在提供されている20数か国の全ての国で、すでにBERTが適用されており、韓国語、ヒンディー語、ポルトガル語の3語で大きな改善が見られたそうです。
現時点で大きな改善があったというニュースはありませんが、強調スニペットでは、日本でもすでに影響しています。
さらに、BERTによる影響は、検索ボリュームが多いビッグワード以上に、複雑な文脈理解が必要となるテールワードに見られると推測されます。
さらに、これまでのNLPとの相違は、テールワード以上に音声検索などの、文章や会話調になったクエリで大きく表れると考えられます。

BERT導入に備えてやるべきSEO対策とは?

最後に、BERTの導入に備えて、SEO業者や社内のSEO担当者が行うべき対策について触れたいと思います。

結論をいうと、”BERT”導入に向けた特別な対策は不要です。

そもそもBERT導入は、複雑化・多様化する検索クエリに対応できるよう、GoogleがこれまでのNLP以上に各クエリの”意味”や”検索意図”を正確に読み取れる仕組みを導入したということです。

つまり、「ユーザーの検索意図を満たすような、ニーズに応じた良質なコンテンツを作る」という本質は変わっていないのです。

まとめ

Googleは人間の自然言語における、前後の文脈を読み取れるNLP、BERTを検索エンジンに導入しました。

まだ大きな影響は見られないものの、日本でも強調スニペットの生成には、すでにBERTが関係しています。

BERT導入によってGoogle検索の検索エンジンは、これまで以上にユーザーの検索意図を汲み取ることができるため、SEO対策としては、よりユーザーニーズに即した良質なコンテンツを作ることが重要となります。

強いて言うならば、よりユーザーの検索意図を汲み取った良質なコンテンツを作ることが、SEO対策に求められていると言えるでしょう。