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2018.04.05

阿南 大希

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目次
    1. 健康食品・化粧品市場の変化
      1. 01:経済市場の動向
      2. 02:EC市場の動向
      3. 03:広告表現を取り締まる法律と、その厳格化について
        1. 薬事法に抵触しないための、各メーカーの取り組み
      4. 04:消費者団体による違反事例の追究
    2. 法令を遵守し、なおかつ高い訴求力を実現する難しさ
      1. 01:「薬事法」の条文から分かる、広告表現の難しさ
      2. 02:法に触れず、なおかつ魅力的な広告表現にするための2つの条件
      3. 03:常に求められる「新しい表現」
    3. まとめ:「ライティング技術×薬事法管理者」という選択肢

人にとって、永遠の関心事ともいえる「健康」と「美」。

おそらくは有史以来、その関心や興味は洋の東西を問わず衰えることなく、今もなお巨大な市場を築いています。需要のあるところに供給が生み出される経済市場においては、健康や美を実現するための多くのサービスや製品が登場します。

そんな市場において、少しでも自社の製品を売り上げようと誇大広告や虚偽広告を行う企業も登場しています。企業の誤った広告が故意ではない過失であるにせよ、事実でない広告によって消費者の利益が損なわれることは回避されなければならず、それゆえ監督官庁(厚生労働省や経済産業省)は、法律によって取り締まりを図っています。

健康食品・化粧品市場で製品やサービスの提供・販売を考える企業は、今後も拡大するであろう市場への期待を膨らますと同時に、今後も厳罰化されるであろう法整備に警戒しながら販売戦略をとる必要性に迫られています。

本稿では、拡大する健康食品や化粧品市場に関する経済状況や法環境、さらにはその他の社会情勢について触れるとともに、同市場で大きな収益を得るための方法についてご紹介します。


健康食品・化粧品市場の変化

01:経済市場の動向

健康に対する消費者の関心は常に強く、それを裏付けるかのように、健康食品市場は拡大の一途をたどっています。同市場では、今後も高い需要が予想されています。

健康食品市場規模推移

画像引用:矢野経済研究所推計

健康と同様に、美に対する関心・興味も高く、化粧品市場も拡大を続けています。

国内の化粧品市場規模推移と予測

画像引用:矢野経済研究所

2014年10月に化粧品が免税対象になったことで、市場では多言語対応や売場づくり、外国人が好むギフトセットの販売なども強化され、インバウンド需要の取り込みも進んだことで市場規模は大幅に拡大しています。こちらも健康食品市場と同様に、今後の拡大が予想されています。

02:EC市場の動向

健康食品・化粧品市場の拡大と併せて注目すべきは、EC(インターネットを用いた売買)市場の拡大です。インターネットが普及して以降、インターネットは企業の販売経路の一角を占めるようになりました。

それは同時に、消費者にとっての新しい購入経路が登場したことを意味しています。近年では企業はインターネット上で広告を出稿し、消費者はそれを見てインターネット上で購入するという形がひとつの売買形態として確立しています。

日本のBtoC-EC 市場規模の推移

画像引用:経済産業省

03:広告表現を取り締まる法律と、その厳格化について

拡大する健康食品・化粧品市場で自社の製品やサービスを競合他社よりも多く提供するためには、消費者が魅力を感じる製品・サービスづくりのみならず、それらの広告・宣伝表現が不可欠となります。魅力的な広告は販売戦略の要(かなめ)ともいえ、それゆえ「広告を制するものが市場を制する」といっても過言ではありません。

もっとも、広告の効果が大きいゆえに、市場では誇大広告や虚偽広告も多く登場することは避けられません。そこで、“医薬品でないにもかかわらず、医薬品と同様の(もしくは近い)効果や効能があると誤認させる表現”に関して、国は法律によって規制しています。

この法律こそが、いわゆる「薬事法」です。(正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」)健康食品や化粧品などは特に薬事法に抵触しやすい分野であるため、注意が必要です。

薬事法では、医薬品でないものが「効果・効能」を語ることを禁止しています。

例えば、

  • 「免疫力を向上」
  • 「体が引き締まる」
  • 「消化吸収を助ける」
  • 「血行促進」
  • 「シワ消し」

などの表現は、医薬品でない健康食品や化粧品の広告で用いることが禁止されています。

また、法によって規制される表現は、時代によって変化します。例えば花粉に関する表現では、以前は「花粉」のみであれば認められ、「花粉症対策」と表現すれば薬事法違反となりましたが、近年では「花粉」のみで違反となった事例もあります。

健康食品や化粧品に関する広告をおこなう場合、薬事法に抵触しないよう注意が必要です。なお、広告の際に抵触に注意する必要があるのは薬事法のみではありません。消費者の健康維持を目的とした「健康増進法」や、製品の不当な表示の禁止を目的とした「景品表示法」にも抵触しないことが求められます。

薬事法に抵触しないための、各メーカーの取り組み

健康食品や化粧品を製造・販売する各メーカーは、薬事法や健康増進法、景品表示法による規制に抵触しないためにさまざまな手法を駆使して自社の製品やサービスを宣伝してきました。近年では、「アフィリエイトサイト」や「ランキングサイト」による広告・宣伝方法が多く用いられるようになってきました。

よくある宣伝手法

アフィリエイトサイトでは、製造・販売メーカーとは異なる企業や個人がサイト運営者となり、(場合によっては運営者名を隠したまま)健康食品や化粧品を広告・宣伝するという手法がとられています。また、ランキングサイトでも同様に、運営者を販売メーカーと無関係の企業(または個人)として、自社の製品やサービスを1位に位置づけて宣伝するという手法がとられています。

以前まではアフィリエイトサイトやランキングサイトは摘発や警告の対象となることはありませんでしたが、近年では措置命令が下された事例もみられます。例えば、運営者名を隠したランキングサイトで「日本一」とうたった表現に対して、国は「自社で運営しているにもかかわらず、無関係の第三者が運営しているように装っている」として措置命令を下しました。(※1)(※2)

(※1)出典:薬事法ドットコムメールマガジン『どうなる?日本1訴求、ランキングサイト、サテライトサイト 1453 号( 17/11/16 )』

(※2)出典:薬事法ドットコムメールマガジン『サテライトサイトの仮装を見破る消費者庁の「調査」 1457 号( 17/11/22 )』

また、国が発表した成案である「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」では、アフィリエイトの運営者が健康増進法の責任者となることが明確にされています。現在では、健康増進法違反と思われるサイトの運営者に対して、国が警告メールを送っています。また、アフィリエイトサイトの内容が虚偽・誇大な場合には、広告主が景品表示法の責任を負うことも定められています。(※3)

(※3)出典:薬事法ドットコムメールマガジン『出典どんどん変わるネット規制( 1 )健食アフィリエイト 1474 号( 17/12/18 )』

このように、現在ではランキングサイトやアフィリエイトサイトで自由に広告・宣伝をおこなうことは困難となっています。

04:消費者団体による違反事例の追究

アフィリエイトによる宣伝が多くなった今日においては、薬事法に抵触する違法なアフィリエイトサイトを撲滅しようとする消費者団体の動きも活発になっています。

直近の例では、自然食品を製造・販売する大手メーカーのアフィリエイトサイトに対して、消費者団体がサイト上の表現について薬事法と景品表示法上の問題があると指摘し、差止請求をおこなった事例があります。この件では、後にメーカー側が広告代理店を通してアフィリエイトサイトを修正することになりました。


法令を遵守し、なおかつ高い訴求力を実現する難しさ

01:「薬事法」の条文から分かる、広告表現の難しさ

健康食品・化粧品市場は、今後も拡大を続けることが期待される市場です。同時に、法による規制が強い分野でもあるため、この市場で競合他社に勝つためには、法を遵守しながら製品やサービスの魅力を伝えていくことが必要不可欠となります。

魅力的な広告・宣伝表現(文言)を生み出すためには、薬事法(および健康増進法・景品表示法)に関する幅広い知識が不可欠です。もっとも、「具体的にどのような表現が許可され、どのような表現が禁止されているか」という点については、国が規定する法律に明記されているわけではありません。このことは、健康食品や化粧品に関する表現を規制する法律を見ると明らかです。

現在、健康食品や化粧品に関する表現を規制する法律は、以下の「薬事法第2条」のみです。

薬事法第2条

この薬事法2条と、厚生労働省が発令する「通知」と呼ばれる規則を基に、「違法でない表現」を判断していくことが求められます。なお、厚生労働省が発令している通知は昭和46年に発行されて以降も定期的に新しいものが発行されているため、一部の専門家を除いてはそのすべてを把握しているわけではないというのが現状です。

02:法に触れず、なおかつ魅力的な広告表現にするための2つの条件

健康食品や化粧品の広告・宣伝用の文言を考える上で、満たさなければならい条件のひとつは「法に抵触しないこと」です。この点を意識した表現の一例として、以下の表現があげられます。

例①:ビタミンB1は、1910年に日本で鈴木梅太郎博士によって発見されました。

この表現は事実ですが、ビタミンB1が含まれている製品の魅力を伝える文言としては不十分といえます。これに対して、“製品の魅力を伝える”という点を強く意識するのであれば、以下のような文言が考えられます。

例②:ビタミンB1は、疲労を回復させ、肌を若返らせます。また、病気の際に摂取することで症状を解消させる効果もあります。

この表現の場合、“製品の魅力を伝える”という点に関していえば十分といえます。しかし、この表現は医薬品でない健康食品などに対して効能や効果を述べているため、用いることができません。(薬事法違反)

例①と例②から、ビタミンB1の説明をするのみであれば容易ですが、それだけでは製品としての魅力はなく、製品としての魅力を伝えようとする場合には薬事法に抵触する可能性があるということが分かります。

このことから、健康食品や化粧品に関する魅力的な広告・宣伝をおこなう際には、以下の2つの条件を満たす必要があることが分かります。

薬事法に抵触しない表現 なおかつ 製品やサービスに魅力を感じさせる表現

であること。

上記のふたつの条件を満たす文言の一例としては、

例③:ビタミンB1は、豚肉やレバー、豆類などに豊富に含まれている栄養素です。体内でほとんどつくられないという特徴があります。

などがあげられます。

この例③では、ビタミンB1が一般的に「体に良い」というイメージを持たれる豚肉やレバー、豆類などに含まれているという点と、体内でほとんどつくられない(=摂取する必要がある)という点を伝えることで、消費者に「摂取(購入)したい」と興味を持たせることを図っています。

03:常に求められる「新しい表現」

広告表現に必要な3つの要素

健康食品や化粧品市場で自社の製品を競合他社よりも多く販売していくためには「薬事法に抵触しない表現」「製品やサービスに魅力を感じさせる表現」の両方が不可欠です。

もっとも、上記の両方を満たした魅力的な表現が市場に出回ると、競合他社が真似をする(同様の表現を用いる)ようになります。こうした“競合他社による後追い(真似)”によって、市場の広告表現は均一化し、それゆえ消費者は“どれも同じようなもの”という既視感に陥ることになります。

魅力のある表現であればあるほど、競合他社からの模倣によって市場に登場する表現は均一化に向かうため、自社の製品・サービスを最も魅力的なものであると消費者に伝えるためには、常に新しい魅力的な表現を生み出し続けることが必要になります。


まとめ:「ライティング技術×薬事法管理者」という選択肢

健康食品や化粧品市場において、広告表現で競合他社と差をつけるのであれば、魅力的な表現でなおかつ法律(薬事法、景品表示法、健康増進法)に抵触しない表現が必要です。「魅力的な文言が書けるだけ」もしくは「法律に詳しいだけ」では不十分です。

そこで最善の選択肢としてあげられるのが、法律の理解と表現の作成(いわゆるライティング)に通じている専門家(専門企業)への依頼です。

高い訴求力のある表現のノウハウと、薬事法に関する知識を併せ持っていれば、市場において競合他社に差をつける広告・宣伝が可能です。

今後、ますます拡大していくことが期待される健康食品・化粧品市場。同時に、法による規制もますます強くなっていくことが予想されます。複雑化するさまざまな規制に抵触せずに自社の製品・サービスを市場に供給していくためには、「ライティング×薬事法」に関する幅広い造詣が不可欠といえます。

【薬事法管理者】

薬事法管理者マーク

薬事法に関連する学識経験者、実務経験者などによって構成されている『薬事法有識者会議』が実施する認定試験に合格した者に与えられる資格。資格取得者は、薬事法(薬機法)、健康増進法、景品表示法などについての専門知識があると認定されています。