
今さら人に聞けない"GDPR"とは|日本への影響と対応も合わせて解説
DMP/AI
2020.08.10
株式会社PLAN-Bの情報発信メディア
2019.06.07
西岡 彩織
DMP/AI
2015年に入社し、DMP「Juicer」の立ち上げに参画。「Juicer」のUX領域を主に担当しながら、新規機能の開発・マーケティング・顧客サポートなどにも従事。
DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)は、アクセス解析や広告配信、顧客属性、購買行動といったビッグデータを一元化して管理するための仕組みです。サイトでの行動ログ、属性情報、コンバージョン履歴など様々なデータを統合管理し、施策を最適化することができるようになります。
DMPは、1st Partyデータ、3rd Partyデータといった取り扱うデータの種類などによってさらにプライベートDMPとオープンDMPに分けられます。DMPについての詳しい説明は、下記の記事もご覧ください。
「Juicer」は、ユーザーを理解することを目的とした「ユーザー分析DMP」です。国内30,000件のWebサイトのデータや各種モニタデータといったビッグデータを活用し、サイト訪問ユーザー1人ひとりの属性・興味関心・ライフスタイル・デジタル行動などを分析することができます。
「DMP」というとビッグデータを溜める「箱」をイメージされる方が多いかもしれませんが、JuicerはWebサイトを分析・改善するためのアクションを実行できる機能を備えた、もう少し能動的な存在です。
Webサイトに1行のタグを設置するだけで、あらゆるビッグデータを収集するのはもちろんのこと、自動でペルソナを作成したり、コンバージョン見込みを予測したり、A/Bテストやポップアップといった施策を実行することができます。
現在は6種類の分析機能と、3種類の施策機能を搭載しており、すべて永年無料でご活用いただくことができます。
下記の記事では、ユーザー分析DMP「Juicer」を使って、分析と施策のPDCAをバランス良く運用されている企業様の活用事例をご紹介しておりますのでご覧ください。
Juicerは国内30,000件のWebサイトに導入されており、その数は毎月200件のペースで増加しています。現在Juicerがインターネット上で行動を確認できるアクティブユーザーは月間で約1億UB(ユニークブラウザ)にのぼります。
これらのデータに加え、各種モニタデータ、企業情報や地域情報、クチコミデータなどのビッグデータを駆使することによって、通常ではアクセスログ以外に情報を持たない匿名ユーザー1人ひとりを個人情報を一切使わずに分析することができます。
ユーザー分析を目的としたDMPである以上、インターネットユーザーを正確に「1人」の単位で分析することが重要です。しかし、アクセス解析で一般的な「ユニークブラウザ」という単位はあくまで「1つのブラウザ = 1人の人間」として定義するもので、1人が複数デバイスを保有することが一般的な昨今では「1人の人間」を正しく認識できていません。
Juicerはこの課題を乗り越えるため、クロスデバイスソリューションの導入による名寄せを進めています。これはデバイスやブラウザをまたいで1人のユーザーを識別するための技術で、デバイスごとにバラバラに割り振られていたIDを統合し、「1人の人間」を識別することができるようになります。
上記のような名寄せにより、インターネットユーザー1人ひとりにユニークなIDを付与し分析することができます。名寄せ技術を用いて1人のユーザーを分析することの重要性については、下記の記事もご覧ください。
名寄せを行ない、ユーザー1人ひとりのユニークなIDを統合管理できれば、さらにそのIDをキーにして様々な他サービスのIDと紐付けていくことが可能になり、より施策に生かしやすくなります。Juicerの場合、AAID/IDFA(広告配信のための識別子)や td_global_id(トレジャーデータ社が発行するユーザーID)などのユニークIDが既に紐付いており、広告配信などの施策にスムーズに結びつけることができます。
連携可能なサービスのバリエーションは今後も順次拡大予定です。また、既にプライベートDMPをお持ちの場合、お客様のDMPでの管理IDとJuicerのIDを名寄せすることで、自社ユーザーのデータにJuicerが保有するビッグデータを追加する形でご活用いただくことも可能です。
前述のテクノロジーを駆使して分析した結果、ユーザーDMP「Juicer」が保有するインターネットユーザー1人ひとりのデータは下記のようになります。
基本属性情報 | 年齢・性別・家族構成・未既婚・居住地・学歴・企業・職業 |
---|---|
消費行動 |
|
興味・関心 |
|
インターネットでの行動 |
|
Juicerは個人情報を一切保持しないDMPではありますが、先に述べた各種モニタデータなどを駆使することによって、ユーザーに属性情報を付与することができます。また、保有する約30,000件のWebサイトのデータを分析することで、このユーザーが「どんなモノ・コトに」「どの程度強く」興味を持っているのかを知ることができるのも特徴的な点です。
このたびリリースされましたJuicerの「データ活用」オプションは、これらのユーザーデータを一括ダウンロードし、各種施策にご活用いただくことができるものです。自社サイトのユーザー分析はもちろん、広告配信・レコメンド・メール配信などの各種施策にご活用いただいたり、リサーチや商品開発、店舗開発などへの活用も可能です。ここからは、用途別の活用事例をご紹介します。
広告主様の場合、自社ユーザーの理解のためにJuicerのビッグデータをご活用いただくケースが多いです。中でも多いのが「プライベートDMPを導入し、顧客化・会員化したユーザーのID統合は進んでいるが、顧客化しなかったユーザーの悩みやニーズ・ライフスタイルに関するデータがなく、アプローチが進まない」というケースです。
Juicerが保有するデータを活用いただく大きなメリットの1つが「自社サイトに訪問したものの、顧客化せずに離脱してしまった匿名状態のユーザーを分析できる」ことです。一般的なWebサイトのコンバージョン率(=顧客化率)が1%前後であることを考えると、残りの99%を分析することには大きな意義があります。
Juicerが保有するデータには、ユーザーの自社サイト内での行動データはもちろん、そのユーザーが「自社サイトの外でどんなことに興味を持っているのか」という興味関心データが含まれています。興味関心はカテゴリ単位・キーワード単位で分析することができ、「何が懸念でコンバージョンしなかったのか」「何についての情報が欲しかったのか」という懸念やニーズをここから発掘することができます。
さらに、これらの興味関心データを、年齢や性別といった属性情報、所属企業、オンラインでアクティブな時間帯といった他のデータを組み合わせることによって、「結婚を控えているであろう独身女性」「小学生未満の子育てに興味がある主婦」「介護について情報収集している忙しい会社員」といったセグメントを作り、セグメントごとのニーズや懸念の違い、利用シーンの違いなどの分析にご活用いただくことも可能です。
このように複数のデータを組み合わせることによってユーザーのニーズを掘り下げ、ペルソナ作成や商品開発、Webサイトのコンテンツ開発への活用いただくのが広告主様におすすめのユースケースです。
広告配信の文脈でデータ活用が有効なのは「準顕在層」へのアプローチです。「準顕在層」とは、ニーズはまだはっきりしていないが、顕在層のユーザーと行動や嗜好が似ている、関連分野に興味を持っているなどの理由で見込みが高いと思われる層のことです。
顧客化したユーザーのみを管理するCRMやプライベートDMPだけでは、まだ顕在化していない状態の見込み顧客を発掘し、広告配信を行なうことはできません。一方Juicerでは、インターネット上に存在する未接触ユーザーについても属性や興味関心についてのデータを保有しています。
これにより、自社サイトでコンバージョン経験のあるユーザーの興味関心を分析し、それに類似する嗜好を持っているインターネットユーザーを抽出する、自社製品と関連が深い製品・サービスを閲覧したユーザーを抽出し広告配信を行なう、といった活用が可能です。
例えば「直近1ヶ月間で『自動車』について調べたユーザーに『保険』をおすすめする」や「既に『インターネット回線』を利用しているが、『引っ越し』について情報収集をしているユーザーにリプレイスを狙った広告をうつ」といったアプローチが可能になります。
このように、自社サイトのデータだけでは分からない、ユーザーの行動・興味関心のデータを活用することで効率よく準顕在層へアプローチできる点が広告代理店様におすすめのポイントです。
本記事では、DMP「Juicer」が保有するビッグデータとその活用方法についてご紹介しました。
今回ご紹介した事例に限らず、お客様がビッグデータ活用によって実現したいことに合わせて柔軟に対応させていただくことが可能ですので、ご質問だけでもお気軽にお問い合わせいただければと思います。