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Webサイト制作
2019.11.26
株式会社PLAN-Bの情報発信メディア
2019.06.07
五十嵐 和希
WEB CREATION
2013年中途採用でPLAN-Bに入社。東日本エリアの営業マネージャーを経て、2017年にビジネス開発ユニットを立ち上げ、オウンドメディア運用と事業開発を行う。その後、2018年よりJuicer事業部へ異動。自社開発DMP「Juicer」の販売戦略を中心としたマーケティング活動に従事。現在はPDMチームにてプロダクトオーナーとして新規事業の立ち上げを行っている。
2015年に入社し、DMP「Juicer」の立ち上げに参画。「Juicer」のUX領域を主に担当しながら、新規機能の開発・マーケティング・顧客サポートなどにも従事。
目指す目的やゴールはサイトによって多種多様ですが、サイト改善のアプローチという観点で見ると、いくつかのタイプに分けることができます。
今回は、低予算でお試しでき、さらに効果が実感できる改善の実例を弊社ツールのJuicer操作画面とあわせて、PLAN-B Juicer事業部プロデューサーの西岡に聞いてみました。
ーー改善ニーズの多いサイトのタイプには、どんなものがありますか?
「サイト改善」という観点では、主に「ECサイト」「LP(ランディングページ)」「メディアサイト」「コーポレートサイト」の4つのタイプに分けることができます。
ECサイトは「製品やサービスの購入を目的としたサイト」、LP(ランディングページ)は「特定の製品やサービスの訴求を目的とした、1枚のページ」、メディアサイトは「情報発信を目的としたサイト」、コーポレートサイトは「企業や店舗、団体の紹介を目的としたサイト」とします。
ーーそれではまず、ECサイトにおいてチェックすべきポイントを教えてください。
製品やサービスをいかに魅力的に見せるかはもちろん重要ですが、サイトの機能的な側面から見ると、顧客情報の入力・会員登録・発送手続きなどの重要なページが続くため、ユーザーの動線配備に注意が必要といえます。実際、購入手続きが複雑で煩わしいことから購入を諦めてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。
まずは、最も多くのユーザーがたどった主要動線をチェックし、運営者側の想定と一致しているかを確認しましょう。前述の手続き系ページが続くエリアでは、原則として動線はシンプルな一本道であるべきです。
このあたりでユーザーの動線が分岐していたり、離脱が発生しているようであれば、購入意思のあるユーザーを取りこぼしている可能性があります。ユーザーが次に取るべきアクションを理解できるよう、ページ同士をつなぐボタンやナビゲーションの表現を見直してみましょう。
また、多くのECサイトでは、会員・非会員などのステータスの違いによって利用できる機能やたどる動線が異なるかと思います。サイト全体のコンバージョン率に問題はなくても、ユーザーのセグメントや条件ごとに見てみると、パフォーマンスの伸びないセグメントがいたり、その原因が特定の動線の中のページだったりすることもありますので、セグメントごとにボトルネックとなっているページがないかもチェックしておきましょう。
ーー次に、LP(ランディングページ)においてチェックすべきポイントを教えてください。
LPの最大の特性は、特定の製品の購入など、限定された目的を持ったページであることです。原則として他のページへのリンクや他の製品情報は掲載されず、購入手続きなどの機能系ページを除けば、訪問からコンバージョンまでが1枚のページで完結します。
ユーザーの体験のすべてを1枚のページが担うLPでは、成果へのインパクトが大きいファーストビュー(入り口)とコンバージョンエリア(出口)をまず改善しましょう。
まず、入り口の印象を決めるファーストビューについて考えてみましょう。このエリアの役割は、何らかのきっかけでページを訪れたユーザーが「自分の求めるものはここにある」と理解できることです。
製品やサービス名が見つけやすい箇所に明記されているか、専門用語や業界用語ではなく、ユーザーが検索で使いそうな身近な言葉が使われているか、製品画像やイメージ写真は効果的に使われているか、などをまずはユーザー目線でチェックしてみましょう。
このエリアが機能しているかを測る1つの指標として「直帰率」が有効です。一般的にLPは直帰率が高くなる傾向にありますが、それでも70%を超える場合には対策を講じた方が良いでしょう。
次に、出口となるコンバージョン周辺のコンテンツはどうでしょうか。コンバージョンボタン・料金表・入力フォームなどがこれに該当します。
このエリアでは、ユーザーを迷わせないことが重要です。自分に合ったプランはどれなのか、購入するにはどのボタンをクリックすればいいのか、あと何ステップで手続きが完了するのか、など購入意向の高まったユーザーを離脱させてしまわないように配慮しましょう。
特に、料金体系や契約期間といったお金にまつわる情報は、ユーザーを不安にさせないよう明確かつ簡潔に表記しましょう。 成果に直結するエリアなので、価格の表記、ボタンのラベル1つ1つを検証してみるだけの価値はあります。
直帰率が悪くないのに、コンバージョン率が上がらない場合には、このエリアのコンテンツを見直してみましょう。
ーーメディアサイトにおいてチェックすべきポイントを教えてください。
情報発信が目的のサイトは、商品の購入や資料請求といった明確なコンバージョンポイントがない場合がほとんどですが、それでもやはり目指すべきゴールは定量的にイメージしましょう。
たとえば滞在時間や閲覧ページ数といった指標からは「ユーザーとサイト(企業)の関わりの度合い」を読み取ることができ、メディアサイトのパフォーマンスを管理する上で有効です。更にこれらをいくつか組み合わせて「エンゲージメント」という単一の指標を作れば、より管理がしやすくなります。
実際に分析を行なう際には、このエンゲージメント指標を用いてサイト全体のパフォーマンスをチェックすることはもちろん、ページやコンテンツ単位での分析も有効です。
ページごとの新規ユーザーの獲得率、他のコンテンツへの遷移率などを見ることで、特に成果に貢献しているコンテンツが分かり、次のコンテンツ製作時やサイト改善時の傾向と対策が立てやすくなります。反対に、離脱率や直帰率が高いコンテンツがあれば、メインビジュアルやキャッチコピーの改善や、他のコンテンツへの誘導を強化すべきでしょう。
ーー最後に、コーポレートサイトにおいてチェックすべきポイントを教えてください。
他のサイトに比べ、訪れるユーザーのニーズが幅広いことに注意が必要です。例えば、製品やサービスについて詳しく知りたい消費者と、取引先を探している企業の担当者では、求めるコンテンツもたどる動線も全く異なります。
それぞれのユーザーが求めるコンテンツに迷わずたどり着けるよう、また異なるコンテンツに誤って流入してしまわないよう、ナビゲーションやラベルの表記に配慮する必要があります。メーカーなどのサイトでよく見られる「個人のお客様はこちら」「法人のお客様はこちら」といったナビゲーションが代表的な例ですね。
企業からのアクセスなのに消費者向けのコンテンツにアクセスしていたり、複数の異なるセグメント向けのコンテンツを閲覧しているユーザーが多い場合には、ユーザーが自分が見るべきコンテンツを見つけられず、迷ってしまっている可能性があります。
トップページのナビゲーションや、コンテンツ間のハブになるページなど、ユーザーの動線が分岐する箇所の離脱率が高くなっていないか、見直してみましょう。
また、インターネット上のニーズを定期的に観察することも有効です。たとえば特定の製品やサービスについての発言がネット上に多く見られるのであれば、その製品についてのコンテンツを「製品一覧」に含めてしまうのではなく、トップページから直接アクセスできるナビゲーションを用意したほうが効果的かもしれないという気付きが得られます。
サイト内のユーザーの動きだけでなく、広くインターネット上のニーズにも目を向けてみましょう。
ーーでは逆に、サイトの目的問わず出来るサイト改善があれば教えてください。
サイトのタイプや目的問わず、「検証」というプロセスの重要性をお伝えしています。中でも、比較的少ない工数で実行できて、成果が出なければすぐにやめられる「小回りの効く」施策として、A/Bテストがおすすめです。
本当にその施策が有効かどうかを、サイトを大きく変えてしまう前に確かめることができますし、後になって「そもそも何でこの施策選んだんだっけ?」「他にもっと良い手段なかったの?」と議論が逆戻りしてしまわないための判断材料としても使えます。
大規模なリニューアルや、新規のコンテンツ作成と比べてかかるリソースも少ないので「いざやってみて成果が出なかったらどうしよう」といった心理的なハードルも軽減できます。
今回ご紹介したサイトタイプ別のサイト改善案はすべてA/Bテストで試してみることができます。
ーーその際に、おこなうべき優先順位などはありますか?
理想的なのは、
というステップが踏めることです。仮説のない検証では結果が解釈しづらくなってしまいますし、検証のない仮説ではノウハウが蓄積されないためです。
「検証計画を立てる」では、A/Bテストを実施する箇所、A/Bテストの内容を設計します。まず、A/Bテストを実施する箇所については、
箇所でまずやってみることをおすすめします。より短期間で成果の出る施策を導きやすく、結果が良くても悪くても次のアクションにつながりやすいためです。
次に、どんな意図でテストをするのか、どんなパターンがあれば検証しやすいのか、といったA/Bテストの具体的な内容を設計します。たとえば、コンバージョンボタンでテストを実施する際に、「ボタンの色を変える」「ボタンの大きさを変える」「ボタンのラベルを変える」といったように、テストごとの大まかなテーマ分けを行なったり、「ラベルのテスト」をさらに「価格訴求」「手軽さ訴求」「機能訴求」といった軸に分けたりといった作業です。
このように「検証計画を立てる」というステップを踏むことで、スムーズにテストを実施することができ、テスト結果も解釈しやすくなります。
ーーその他、サイト改善において注意すべきことがあれば教えてください。
「サイト改善」というと、サイトをリニューアルしたり、新しいコンテンツを制作したりといった施策を想定される方が多いのですが、担当者の方が忙しかったり、社内にサイト制作の部門がない場合には実行するのが難しい場合もあると思います。
その結果、サイトが長らく放置されてしまったり、実はパフォーマンスの良いコンテンツがユーザーの目に触れにくくなっていたりするのは、大変もったいない状況といえます。そんなときには、今回ご紹介したA/Bテストのような、小回りの効く施策もぜひ選択肢に入れてみてください。
サイト内の一部分から始める小さな施策ではありますが、画像一枚、テキスト一文を変えただけでコンバージョン率230%改善を実現した事例などもあり、少ない手間で大きな成果を得られる可能性のある施策です。
重要なのは施策の大小ではなく、まずはやってみること、そしてそれが続けられることです。簡単に実施できるサイト改善施策を活用し、あなたのサイトの最高のパフォーマンスを引き出しましょう。