「適度な明るさ」からの解放。カメラの可能性と写真の奥深さを知るマニュアルの魅力

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マニュアルとは、露出(写真の明るさ)をすべて自分でコントロールして撮影するモードです。場面に応じた適正露出を見つけなければならないため、露出についての理解が必要ですし、設定を細かく調整するため手間がかかります。

「プロが使ってそう……」という印象を持っている方がいるかもしれませんが、実はそれほど頻繁に使うわけではありません。すべてをマニュアルで撮影するカメラマンもいるかもしれませんが、実際はシーンによって使い分けています。

「普通にキレイな写真を撮るのであればマニュアルモードをあえて利用する必要はありません。ですが、マニュアル撮影を覚えることによって、その他のモードでは撮れない、現実をデフォルメしたような美しく印象的な写真が撮影できます。

今回は、マニュアル撮影の3つの要素、各モードの特徴とデメリット、そしてマニュアルの魅力についてご紹介します。


マニュアル撮影の3要素。明るさを変えようとすると表現も同時に変わる

マニュアル撮影は、絞り・シャッタースピード・ISO感度という3つの要素を自分で調整して撮影する方法です。まずは簡単にそれぞれの役割をご紹介します。

絞り(F値)

絞り

※絞りはレンズに搭載された機能。写真の中心の穴の大きさを絞りで調整する。Fの数値が小さいF1.8などで開けた場合、穴が大きくなり、Fの数値が大きいF22などで締めた場合、穴が小さくなります

絞りを開けた時光が入る量が増えて明るく写る。ピントの合う範囲が狭くなりよくボケる。
絞りを締めた時光が入る量が減って暗く写る。ピントの合う範囲が広がり全体にピントが合う。

シャッタースピード

シャッタースピード

※シャッターが開いてから閉まるまでの時間。光がカメラに入る時間を調整する機能。遅い場合は30秒、速い場合は1/40000(0.000025秒)までさまざま。

速いシャッタースピード光が入る時間が短くなり暗く写る。被写体の動きや手ブレでブレにくい。
遅いシャッタースピード光が入る時間が長くなり明るく写る。被写体の動きや手の動きでブレやすい。

絞りとシャッタースピードについては下記の記事で詳しく説明しています。

ISO感度

ISO感度

※カメラに入った光を増幅させる機能。ISO100(低感度)~40000(高感度)までさまざま。各モードとは別にオートにするか手動で設定するかを決められます。

ISO感度を上げる光を増幅して写真を明るくする。画質が落ちる。
ISO感度を下げる光の増幅が少ない。画質が良くなる。

ここで覚えておきたいのは、明るさを変えようとすればボケブレ画質の3つの要素も同時に変わるという点。つまり、マニュアル撮影とは露出とボケ・ブレ・画質の4つの要素をシーンや求めるイメージに合わせて同時に調整するモードなのです。


各モードの説明とデメリット。「万能」なモードはない?

露出・ボケ・ブレ・画質を手動でコントロールするのが面倒という方のために、現在のカメラには自動で調整してくれるモードが搭載されています。中でもよく使われるのが、PモードAvモードTvモードの3つです。それぞれのモードの特徴を見てみましょう。

Pモード

Pモード

露出が適正になるように、絞りやシャッタースピードをカメラが自動で調整してくれるモードです。晴天時の屋外など、光が安定している場所では問題なくキレイな写真が撮れます。

反面、露出を軸にカメラが自動で絞りとシャッタースピードを調整するため、背景をボカしたい、被写体の動きをピタリと止めたいなど、写真の表現に関わる部分を上手くコントロールできません。

Avモード(絞り優先モード)

Avモード

絞りを自分で設定、シャッタースピードはカメラが自動で設定するモード。ピントの合う範囲(ボケ)をコントロールしつつ、露出はカメラが自動で整えます。背景をボカしたい場合、逆に全体にピントを合わせたい場合など、ピントの合う範囲を自分でコントロールする時に有効です。

一方、暗めの場所で撮影する場合、または動いている被写体を撮影する場合はシャッタースピードがコントロールできず、写真がブレやすくなります。

※Pモード、Avモードについては下記の記事で詳しく説明しています。

Tvモード(シャッタースピード優先モード)

Tvモード

シャッタースピードを自分で設定し、絞りはカメラが自動で調整するモード。被写体の動きを止めたり、動かしたり、ブレをコントロールしながら、適度な明るさで撮影できます。

F値が自動で調整されるため、ピントの合う範囲をコントロールできません。背景をボカしたい、または全体にピントを当てたい時には不利です。

※ISO感度に関して

ISO感度をオートにするか手動で設定するかは、モードとは別に選択できます。この時に注意するべきは、感度の高さ。ISOはカメラによりますが100~4万(Canon6DMarkⅡ)まで幅広い数値から選べます。基本的に数値が高ければ高いほど画質が荒れます。オートにすることで数値が上がりすぎることがあるため注意しましょう。明るい場所ではISO100~400 暗い場所ではISO800~3200程度にとどめることで、画質のクオリティを担保できます。

カメラの設定は常にトレードオフの関係によって成り立っています。そのため、Pモードを利用する際には「ボケとブレのコントロール」を、Avモードを利用する際には「ブレのコントロール」を、Tvモードでは「ボケのコントロール」を捨てることになります。何を撮るか、どのように撮るかをイメージしながら、シーンに合わせてモードを設定しましょう。


「適正露出の檻」からの解放。マニュアル撮影の魅力とは?

露出のいずれかをカメラに任せることで、設定は「適正露出の檻」に閉じ込められます。これがカメラ任せの最大のデメリットです。PモードでもAvモードでもTvモードでも、カメラは常に適度な明るさを求めて動くため、ある意味ではすべて「普通のキレイな写真」になってしまいます。

マニュアル撮影によって得られる最大の効果は、適正露出に左右されずに撮影ができるという点です。では、適正露出に左右されない写真とはどのようなものでしょうか。

オーバーでの撮影

露出をオーバーさせることによって全体が光で包まれたような幻想的な写真。露出補正によっても撮影可能ですが、同時にボケやブレもコントロールできるので、マニュアルでの撮影の方が自由度が高くより自分の好みに合わせられます。

 
 
 
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※適正よりも光を多く取り込み(オーバー)鯉のぼりを撮影。全体を白く飛ばし、ロープなどの細部を消すことで鯉のぼりが宙を舞うような雰囲気に。

アンダーでの撮影

適正よりも暗いアンダーで撮影することによって被写体の輪郭や色彩をくっきりとさせ、重厚感と雰囲気のある写真に仕上がります。露出補正でも撮影可能ですが、ボケやブレもコントロールできるマニュアルを選択することで、より表現力の高い写真に。

 
 
 
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※露出を制限してアンダーで撮影。暗めに撮ることで落ち葉の輪郭がくっきりと浮かび、雨に濡れた質感も表現できます。

長時間露光による撮影

花火、ホタル、星空などの撮影、または被写体の動きを表現したい場合に使われる長時間露光。Tvモードも使えますが、シャッタースピードに合わせて絞りが動くとピントの合う範囲がずれたり、明るさが変わったり、イメージ通りの撮影ができません。

 
 
 
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※長時間露光で鯉のぼりを撮影。F値:F8、シャッタースピード:25秒、ISO感度:400。風になびく鯉のぼりが月明かりに照らされ非日常的な雰囲気を演出。

この他、露出を固定したい場合にもマニュアル撮影は有効です。Pモード・Avモード・Tvモードでは、シャッターを押すたびに設定が変化してしまうため、スタジオ撮影など明るさの変化がない場合に使われます。

マニュアル撮影を覚えることで、表現力の高い自由な写真から適正露出のキレイな写真まで、すべての撮影シーンに対応できるのです。


まとめ:カメラの可能性と写真の奥深さを知るマニュアル撮影

Pモード・Tvモード・Avモードは、とても便利な撮影方法です。設定にかかる手間を最小限に抑えることで、被写体と向き合う時間を増やし、シャッターチャンスを確実にモノにできます。また、AvモードやTvモードでは、ボケやブレといった写真の表現を優先しつつ最短時間での撮影を可能にしました。

適度な明るさは、写真をキチンと撮るために必ず必要な要素です。ですが、必ずしも適正なものが印象的であったり美しいとは限りません。ときには「適度」を通り越した何かが、人の心に強く訴えるかけることもあります。

マニュアル撮影は、理屈は少し複雑ですが、誰にでも理解できます。仕組みさえ覚えれば、光(露出)・空間(ボケ)・時間(ズレ)を自在に操り、現実をより美しくより印象的な姿に再現できるのです。

カメラを適正露出の檻から解放することで、写真の表現は無限に広がっていきます。一眼レフカメラ、ミラーレスカメラをお持ちの方は、ダイヤルをMに回し、ぜひ一度マニュアルでの撮影に挑戦してみてください。

マニュアル撮影を繰り返すことで、カメラという機械が持つ可能性、そして写真という表現の奥深さに魅了されるでしょう。