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2018.09.12

児島 宏明

WEB CREATION

オート撮影からの脱却!写真の表現力をアップさせる「絞り優先モード」の使い方

目次
    1. Pモード(プログラムオート)で簡単に写真が撮れる仕組みとは
    2. 「便利さ」の代償は「表現力」
      1. 絞り(F値)
      2. シャッタースピード
    3. 写真の表現力を高める「ボケ」と「動き」
      1. 絞りの表現力(F値)
      2. シャッタースピードの表現力
    4. 一石二鳥な「絞り優先モード」をマスターしよう
    5. まとめ:「たまたま撮れた」から「狙って撮った」へ

デジタル一眼レフカメラのPモード(プログラムオート)って便利ですよね。設定のほとんどをカメラに任せることができるので、誰でも簡単にキレイな写真が撮れます。

ところが、Pモードに慣れてしまうと、そこそこキレイな写真で止まってしまいます。そこで、カメラの仕組みやモード(※記事内で説明します)を少しだけ理解して、「プロが撮ったの?」と勘違いされるような表現力豊かな写真を撮ってみませんか?

SNSの更新、ブログの写真、社員紹介用のポートレートなど、カメラマンでなくても仕事の場面で撮影を依頼される機会は増えています。

今回は、Pモードに慣れない方が良い理由と、よりよい写真が撮れる絞り優先モードの使い方について紹介します。

※Canonの表記や操作方法を軸に説明しています。


Pモード(プログラムオート)で簡単に写真が撮れる仕組みとは

プログラムモード

Pモード(プログラムオート)は、「撮影時に必要な設定」をカメラに任せる撮影手法です。

では、撮影時に必要な設定とは何を指すのでしょうか?

それは、露出の調整」です。「露出ってなんやねん」という方にざっくりご説明すると、露出とは写真の明るさのこと。では、写真の明るさは何で決まるかというと、その答えは、カメラに入ってくる光の量によって決まります。

Pモードで撮影すると、室内・屋外・昼・夜・晴れ・曇りなど、シーンごとに変わる光量に合わせて、あるときは光がたくさん入ってくるように、またあるときは光が入りすぎないように、カメラが自動で調整してくれるのです。

露出の調整

※左が光が入りすぎて「白飛び」した写真、右が光が足らずに「黒つぶれ」した写真。どちらも露出調整の誤りによって引き起こされます。Pモードを使えば、このような露出の誤りは起こりにくくなります。

Pモードで撮影する分には露出の知識や技術は不要。誰でも簡単にキレイな写真が撮影できるため、ついつい頼りがちになってしまうのもうなずけます。

しかし、Pモードはこのような便利さと引き換えにある力を捨ててしまう諸刃の剣でもあります。そのある力とは何でしょうか?次項から紹介していきます。


「便利さ」の代償は「表現力」

Pモードのとき、カメラは自動で露出を調整していると説明しました。

露出をもう少しだけ具体的に説明すると、絞りシャッタースピードで光の量を調整している」ということになります。絞りとシャッタースピードの機能、そしてPモードにすることで捨ててしまう「ある力」についてご紹介します。

絞り(F値)

レンズを通過する光の量を調整する機能。絞りを開けることでカメラにたくさん光が入り、明るく写ります。絞ることで光が通過する量が減り、暗く写ります。

絞り

※真ん中にある穴に光が通ります。この穴の大きさを絞りで調整します。

絞り

※オレンジの枠が絞り(F値)の表示。液晶から調整が可能。

シャッタースピード

光を記録する時間を調整する機能。シャッタースピードが速いと光を取り込む量が少なくなり、遅いと光を取り込む量が多くなります。

シャッタースピード

※オレンジの枠内がシャッタースピードの表示。液晶から調整でき、5秒、1秒、1/60秒、1/320秒、1/500秒、1/4000秒などシャッターを開ける時間を調整できます。

光の量や光がカメラに記録されている時間を調整するのは、絞りとシャッタースピードの大切な力です。この2つをカメラに任せることで、撮影時の負担はかなり少なくなりますが、絞りとシャッタースピードが持つもうひとつの力を上手く使うことができません。

絞りとシャッタースピードが持つもうひとつの力とは、写真の表現力を高める力です。

Pモードは露出を最優先に絞りとシャッタースピードを設定します。明るさは適正になりますが、表現力は無視されるため、「美しい背景ボケ」「被写体の動きの表現」といった、表現力を活かした写真が撮影しにくくなるのです。

Pモードとは、「便利さ」を得るための代償として「表現力」を捨ててしまうモードでもあるのです。

では、絞りやシャッタースピードの表現力とはどのようなものなのでしょうか?それぞれを工夫すると、どのような写真が撮れるのかをご紹介します。


写真の表現力を高める「ボケ」と「動き」

絞りとシャッタースピードによって表現できるのは「ボケ」と「動き」です。それぞれ、どのような写真に仕上がるのかを見てみましょう。

絞りの表現力(F値)

絞りを変化させることでピントの合う範囲を調整できます。F1.8などF値が小さいときはピントが合う範囲が狭くなり、キレイなボケ写真が撮れます。逆にF22などF値が高いときは全体にピントが合ったシャープな写真が撮れます。

 
 
 
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※F1.8で撮影。ピントを合わせた範囲以外が強くボケます。

シャッタースピードの表現力

シャッタースピードによって、被写体の動きを写真で表現可能。シャッタースピードが速いと動いている被写体を「止めて」見せることができ、シャッタースピードが遅いと被写体の「動き」を見せることができます。

 
 
 
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※シャッタースピード2秒で撮影。シャッターを開けていた時間の花火の動きや手ブレが写真に記録されます。

表現力豊かな写真を撮るには、撮影者が自分で絞りやシャッタースピードをコントロールする必要があります。しかし、絞りやシャッタースピードの調整は非常に複雑です。

露出の仕組みについての理解も必要ですし、絞りやシャッタースピードを変えたら、どのくらい明るさや表現が変わるのか?といったことを頭や身体で覚える必要があります。慣れるまでには、それなりの撮影枚数が必要です。

そこでおすすめしたいのが、絞り優先モードでの撮影です。絞り優先モードを利用することで、適度な明るさと表現力を兼ね備えた写真を簡単に撮影できます。


一石二鳥な「絞り優先モード」をマスターしよう

絞り優先モード

恐らくですが、会社で依頼される撮影では「被写体を強調できて柔らかい雰囲気が演出できるボケ写真」が求められるはず。そんなときは絞り優先(AV・A)モードを使いましょう。

絞り優先とは、絞り以外はカメラが勝手に露出を調整してくれるモードです。撮影者は、好みのボケ感で写真が撮れるように絞り(F値)だけを調整します。モードの切り替えや設定は、Pモードに匹敵するくらい簡単です。

  1. モードダイヤルを回してAVまたはAに合わせる
  2. 好みのF値を設定
  3. 試し撮りで明るさを確認
  4. 少し暗い場合はISO感度で微調整する

F値は、2.5以下を選択すると背景がキレイにボケます。

F値

※左がF2,右がF7.1、SIGMAのロゴにピントを当てて撮影。F2の方が背景がボケて雰囲気のある仕上がりに。

ISO感度

※オレンジの枠がISO感度の表示。液晶から調整可能。

このモードを覚えるだけで、簡単かつボケが美しい一石二鳥な撮影ができるのです。

ただし、F値は利用するレンズによって制限があります。カメラ本体に付属しているキットレンズなどは、最小値でF4など、F値が高い傾向があります。F値が高いとキレイなボケが出ないため、F2.5以下のレンズを用意しましょう。

F2.5以下のレンズを用意して、絞り優先モードで撮影する。たったこれだけでも、Pモードの撮影とはまったく違う仕上がりの写真になるはずです。


まとめ:「たまたま撮れた」から「狙って撮った」へ

絞り優先モードのもうひとつのメリットが「自分でコントロールして撮る」という感覚を掴めることです。

Pモードは、ほとんどがカメラ任せのため、キレイに撮れたとしても「自分でコントロールして撮った」という感情は芽生えにくいといえます。

「カメラが良いからなんとなく撮れちゃう」という撮影が続くと、撮影した写真に愛着も湧きませんし、どんどんつまらなくなってしまいます。しかし、少しだけでも自分でコントロールした箇所があれば、「狙って撮った」という感覚が生まれるはずです。

少しでもこの感覚を覚えると、撮影はどんどん楽しくなってきます。また、もっと良い写真が撮りたいという欲求も湧いてきます。

せっかく写真を撮るのですから、撮影は少しでも楽しい方が良いに決まっています。

カメラマンじゃないけど撮影を依頼されることが多いという方は、よりよい写真を撮るためにも、今よりももっと撮影を楽しむためにも、絞り優先モードをぜひ一度試してみてください。