
【5分でわかる】GTM(Googleタグマネージャー)の設定方法
インターネット広告
2021.06.10
パフォーマンス最大化キャンペーンは2020年10月に発表され、2021年11月に正式にローンチされました。
正式ローンチ前まではベータ版としても提供されていましたが、より多くの広告主が利用できるようになったということで、改めてまとめてみようと思います。後半には事例も掲載しておりますので、ぜひ最後までご一読ください!
パフォーマンス最大化キャンペーンは、通称P-MAXと呼ばれます。
近年のAIによる自動化のアップデートを連発してきたGoogleですが、パフォーマンス最大化キャンペーンはその集大成と位置付けされています。
パフォーマンス最大化キャンペーンは、ひとつのキャンペーンからあらゆるGoogle広告の広告枠を対象に広告を配信し、機械学習を使って広告効果を最大化するのが特徴です。
具体的には、YouTube、ディスプレイ、検索、ディスカバー、Gmail、マップなどの Google のすべての広告枠に対して、ひとつのキャンペーンから配信することができます。
パフォーマンス最大化キャンペーンのメリットは下記の通りです。
上記の配信先に対して広告を出すには、これまでだとそれぞれキャンペーンを別に作っていく必要がありました。そのため限られた予算で実施する場合は、予算管理などの調整がどうしても煩雑になりやすく、かつ時間も多くかかりました。
その点パフォーマンス最大化キャンペーンでは、予算内で最適な配信面の組み合わせを機械学習で最適なものにコントロールしてくれるので、運用者の工数と言う観点ではぐっと抑えられるようになりました。
Google広告をはじめとする、広告媒体の機械学習を支えているのは蓄積される「データのバリエーション」と「データ量」です。
Googleはこれまで、各キャンペーン目的の広告クリエイティブにレスポンシブ検索広告やレスポンスディスプレイ広告などで「アセットを複数いれて、それの組み合わせで累乗的に広告クリエイティブのパターンを増やす」ことを行ってきました。
しかしデータ量という観点では①で記載したとおり、キャンペーンを分割することにより1キャンペーンあたりのデータ量が分散されてしまうことがよくありました。
パフォーマンス最大化キャンペーンでは一つのキャンペーンで共通のアセットを利用し複数の配信面への配信を実現したため、データを一つの場所に貯めることができるようになりました。
一方で私が感じるデメリットもいくつかご紹介します。
これまでの自動化プロダクトがいわばオートマ運転の車だったのに対して、パフォーマンス最大化キャンペーンは自動運転の車と言えます。
近頃は運用調整のレバーが昔に比べて少なくなりましたが、それでもキャンペーンや広告グループを分けたり、ターゲティングを組み合わせたりすることである程度自分のコントロール下に置くことができました。この点、パフォーマンス最大化キャンペーンは手を加えることができるレバーが、大きくは予算とクリエイティブくらいなので基本的には動きを見守るということしかできません。
上でお伝えした内容ともやや重複しますが、パフォーマンス最大化キャンペーンではクリエイティブ別のデータや、どのターゲティングで成果が出ているのかなど細かくレポートを確認することができません。もっとも、確認できたとて調整のしようがないので意味がないと言えばそうなのですが、運用担当としては気になってしまいますよね。
これは近頃の自動化プロダクト全般に言えることですが、広告主や社内へ説明がしづらいです。
特に代理店の場合であれば、広告主に事前に理解を得ておかないと「パフォーマンス最大化キャンペーンの獲得単価が検索広告の5倍でした。でも原因の探りようがありません」みたいなことも起こりえます。というように、動きのわからないプロダクトであるからこそ目的や検証期間を明確にしておかないと、報告の際に困ることになります。
ここからはパフォーマンス最大化キャンペーンが出来た背景を見ながら、今後Googleをはじめとする運用型広告がどういう方向性に向かうのかを少し考えてみます。
スマート自動入札以降、急激に加速した感のある自動化ですが、
A. レスポンシブ〇〇に代表されるような広告クリエイティブを累乗で増やす系
B. スマートディスプレイキャンペーンや動画アクションキャンペーンのような、配信先を横断する系
これらの検索やディスプレイキャンペーンでローンチし、そしてテストを重ねてきた結果、AxBで最大のパフォーマンスを出せることが自信から確信に変わったのではないでしょうか。
GoogleのCEOであるSundar Pichai サンダー・ピチャイ氏はGoogleの目指す世界観を聞かれ、
“AIによって全ての人の働き方を劇的に変えられると私たちは信じています”
と答えています。
最近のGoogle広告に関わるセミナーやアップデート情報を見ていると、広告運用者をかつての大量入稿や複雑な入札単価調整や毎月のレポート作成業務と言った作業を脱却させ、より広義のマーケティングというレイヤーに引き上げようとしてくれているように思います。
インターネット広告市場は今もなお成長を続け、多くの企業が「DX化」を掲げてデジタルシフトに積極的にチャレンジするようになりました。それでもなお、Google広告をはじめとする広告をまだ一度も行ったことがないという企業は多く存在します。
日本でもネット広告の利用率には地方と東京には約4倍の差があるとも言われ、まだまだデジタルマーケティングの恩恵を受けられていない企業が多くいることがわかります。
ひと昔前までの運用型広告は、複雑な仕様と入稿できたとしてもその後の運用の工数が莫大ということもしばしばあり、簡単に取り組めるものではありませんでした。Googleはこうした企業に対しても、AIや自動化を活用しながら簡単でありながら最大のパフォーマンスが出せる世界を目指しているのではないでしょうか。
APIでデータを取得するタイプのレポートツールなどを利用している代理店の方々は超絶要注意です。
利用しているレポートツールがパフォーマン最大化キャンペーンをAPIで取得できているのかは必ず確認してください。パフォーマンス最大化キャンペーンが入ってないことを忘れてしまうと、あわや予算超過の大惨事になってしまうのでくれぐれもご注意ください。
機械学習でパフォーマンスを合わせにいく仕様上、「拡張→絞り込み」というAIの動きがもろに広告費で見て取れます。予算管理にはこれまでのキャンペーン以上に気を遣うことをおすすめします。
ここからはパフォーマンス最大化キャンペーンの実績をご紹介します。
該当のアカウントでは、DSAを含む検索広告、リマーゲティング広告を実施していました。おもには検索広告をメインに獲得が進むタイプのアカウントでしたが、運用を数年続けて獲得件数がなかなか伸びず、次の新たな施策を探していました。
パフォーマンス最大化キャンペーンを開始するにあたって、特段準備したものはありませんでした。基本的には検索広告、ディスプレイ広告で使っていたアセットをそのまま利用しました。
広告見出し:5本
長い広告見出し:3本
説明文:3本
画像:横長と正方形それぞれ5本
予算;全体予算に対して約20%
目標コンバージョン単価:設定あり(検索広告とほぼ同等)
驚くことに(?)配信初月からしっかりコンバージョンが獲得できました。あまりの設定項目の少なさに、期待と不安が入り混じった状態でスタートしましたが、これには驚きました。
2か目は一度配信を拡げる意図だったのでしょうか?表示回数がグッと増加したのとともに獲得率が下がり獲得単価が上がってしまっておりますが、3か月目で見事に戻してきております。
また、3ヵ月目は2か月目よりもさらに表示回数が増えており、獲得率を調整しつつも新たな配信余地を模索していたことが推測できます。
4か月目は獲得単価が上がってしまってはいるものの、設定した目標には収まっており、なおかつ獲得件数は過去最大でした。
運用開始後4か月目の検索広告とパフォーマンス最大化キャンペーンの比較です。設定している予算が違うため、獲得件数に差こそあれ獲得単価はパフォーマンス最大化キャンペーンの方が安くなっています。
獲得率は検索広告に劣るもののクリック単価が約半分ほど安く、これはあらゆる配信面やアセットを活用するキャンペーンの特徴を持つからこそ得られた結果ではないでしょうか。
冒頭にもお伝えした通り、この手の自動化プロダクトは「バリエーション」x「データ量」で機械学習の精度を最大化します。そのため、広告テキストや画像などのアセットは、できるだけ多くかつバリエーション豊かに入稿しておくことをおすすめします。
フル自動運転のパフォーマンス最大化キャンペーンですが、ある程度最初にデータを覚えさせておくことが可能です。
それが「オーディエンスのシグナル」と呼ばれる機能ですが、過去効果の高かったカスタムセグメントや興味関心などのデータを設定しておくことができます。
ただし注意が必要なのは、これらのオーディエンスに配信されるのではなく、Googleの機械学習が「あくまで参考データ」として読み込むためのものです。
「拡張する→絞る」の機械学習のサイクルを少しでも早くするために、設定しておくのも良いかもしれません。
パフォーマンス最大化キャンペーン(通称P-MAX)はこれまでにないくらい自動化要素が高いプロダクトです。
代理店ならば広告主への説明責任、インハウス運用者なら上司への報告義務などを考えると、正直なかなか手を出しづらいプロダクトであることは確かです。
しかし事例でも紹介した通り、実際は期待以上の成果を出してくれています。
私もそうでしたが、約10年前までは広告エディターすら出て間がなく、運用者は入稿や万単位のキーワードの入札調整で一日の大半を過ごしていました。また、ちょうど5~6年ほど前でしょうか?Googleがスマート自動入札の利用を推奨し始めたとき、多くの反発がありました。
しかし今ではスマート自動入札を利用しているアカウントは80%以上にもなり、もはや完全に市民権を得ました。キーワードも部分一致がメインになり、1広告グループ1KWのような気が遠くなるような入稿作業も今ではなくなりました。
パフォーマンス最大化キャンペーンも数年後には大多数が利用しているメインプロダクトになっているかもしれません。大事なのはその時代その時代のゲームのルールを見極め、そのルールのなかでの工夫を楽しんで乗りこなすことだと私は考えています。
PLAN-Bの広告運用チームではパフォーマンス最大化キャンペーンに限らず、こうした新しいプロダクトや機能を日々試行錯誤しながら検証し、またチーム内で議論をしながら最適な使い道を模索しています。Google広告やその他の運用型広告で少しでもお困りのことがありましたら、ぜひ一度まずお問い合わせください。