インスタグラムのQRコード(ネームタグ)の表示・加工方法から、スキャン・シェア方法まで解説します
インフルエンサーマーケティング
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リスティング広告やデジタルマーケティングについて語られるとき、「ターゲットをいかに理解しているか」であったり、「いかにユーザー心理を突いたクリエイティブを作れるか」のような、ある種の正論にたどり着くことがしばしばあります。
しかしこの記事ではあえて、それに逆行するテクニカルな改善で大きく成果を伸ばした手法についてお伝えします。
リスティング広告の基礎は下記記事より理解いただけます。
リスティング広告では、アカウント内部の階層ごとにそれぞれ役割が決まっています。アカウント構成の作成と言われる作業は、「キーワード+広告文」という最小単位をどのようにグルーピングしていくかを考えていく工程です。
企業情報や支払い設定を行う、リスティング広告のなかでもっとも上位の階層です。基本的には1企業につき1アカウントが基本です。また、同じ企業のなかでもドメインが違う場合も別アカウントにするのがおすすめです。
複数の広告グループを取りまとめる単位です。キャンペーンを分ける際の目安は下記の通りです。
広告文とキーワードをまとめた単位です。広告グループをわける際の大原則は「ユーザーに表示させたい広告文が違う」場合です。
また、手動入札の際の入札価格と自動入札の際の目標単価を設定できる階層でもありますので、広告グループごとに成果をコントロールしたい場合に広告グループを別立てすることもあります。
また、ディスプレイ広告の配信においてターゲティングの設定をできる階層でもあります。
「タイトル」「説明文「リンク先URL」の組み合わせからなる、ユーザーが検索したときに最初に目にする広告テキストのことです。
ユーザーが検索する検索語句に反応させるキーワードを設定します。
キーワードには、どの程度の検索語句にまで広告を表示させるかを決めるマッチタイプという機能があり、「完全一致」→「フレーズ一致」→「部分一致」という風に右にいくほど拡張幅が広くなります。
よくあるのが予算、エリア、目的と目標、のいずれも別個で管理したい訳ではないのに、何となく商品ごとに分けてしまっていた例です。
運用者自身が管理できるのであればいいのですが、例えば10キャンペーンx2媒体の日予算を毎日にコントロールできるでしょうか?最初は志高く始めたものの、徐々に管理できなくなって煩雑化したアカウントはよく見かけます。
私の感覚では7~8年ほど前はこういったアカウント構成は良くありましたが、今でもたまに見かけます。マッチタイプが異なると見せたい広告文が異なるということはまずあり得ません。
また、マッチタイプごとに入札単価を設定したい意図もあるのかもしれませんが、自動入札機能が優秀な現在ではそもそも手動による細かな調整が必要とされる場面は少ないです。
過去の運用者が作ったアカウントに対し、継ぎ足し継ぎ足しで成立しているようなアカウントや、機械的にキーワードを登録しまくった結果、管理しきれていないアカウントで良く見かける例です。運用以前の問題として運用者が管理できていないアカウントは早急にてこ入れが必要です。
キーワードが完全一致やフレーズ一致がメインになっている場合、本来広告を届けるべきユーザーにリーチができてない可能性があります。
年々ユーザーの検索リテラシーは上がっており、日々新しい検索語句が検索窓に入力されています。これらの検索語句に対してすべて完全一致キーワードで応えるというのは物理的に不可能です。
リスティング広告の中の配信メニューのなかでもリマーケティング広告は大変強力で、助けられた運用者も多いのではないでしょうか。
予算や運用フェーズ次第では、ディスプレイ広告のなかのリマーケティングのみを実施することはありますが、1年以上運用していてこれからもっとアカウントを拡大していきたいという際は、遅かれ早かれリマーケティング以外のディスプレイ広告の攻略が必須になってきます。
そういった意味で、チャレンジがされていないアカウントは黄色信号が点滅していると考えたほうが良いかもしれません。
アカウント構成については、Googleの「hagakure」とYahoo!の「CORE」のように各媒体が推奨する考え方がベストプラクティスとして示されていますが、それがすべてではありません。
また、失敗例に挙げたようなアカウントの細分化も必ずしも悪手とは限りません。
運用者自身がアカウントの頭からつま先まで意図をもって設計し、それらをコントロールできているかが最も重要です。
リスティング広告のような運用型広告では、キーワードやターゲットごとに入札単価を細かく設定して効果を改善できることがメリットとされています。
入札単価の調整はこれまで人が手動で行うのがメインだったのですが、ここ2~3年は機械学習の精度が上がったこともあり自動入札機能の活用にシフトチェンジしつつあります。
なぜなら、手動入札ではキーワード、デバイス、曜日、時間、等のレベルでしか設定できないのに対して、自動入札ではユーザーが検索を行うたびに、複数のシグナルを用いて毎回最適な入札価格を調整するためです。
予算内でコンバージョン数を最大化するように入札価格が調整されます。基本的には予算を使い切る前提で動きます。
設定した目標CPAの値に近づくように入札価格が調整されます。CPAを重視するため予算を使い切るとは限りません。
設定した広告費用対効果(ROAS)に近づくように入札価格が調整されます。複数の商品を扱うECサイトの場合は購入金額の値を取得するようにタグへの記述が必要です。
自動入札機能を代表的な例を挙げましたが、他にも便利な自動入札が存在します。目的に応じて積極的に試してみることをおすすめします。
ここからは、PLAN-Bの運用の事例をご紹介します。
今回ご紹介する2つの案件はいずれも、それまで担当していた運用者が時間をかけて運用しているアカウントでしたが、分析していくとアカウント構成や自動化の活用に課題があることがわかりました。
そこで、ここまでご説明した内容を意識しながら施策を実施したところすぐに成果を改善することができました。
アカウントの概要
サービス:お金に関するサービス
コンバージョンポイント:資料請求
当時のCPA:59,000円
抱えていた課題:現状のCPAでのコンバージョン数の頭打ち
PLAN-B運用後のCPA;50,000円
PLAN-B運用後のコンバージョン数:3.7倍
※実績をもとに架空の数値に加工しています
①広告グループの分断によるデータの分散
広告文が同じにも関わらず広告グループが分けられており、1広告グループあたりのデータ量が少なく自動入札を活用する土台が整っていませんでした。
⓶部分一致を活用しておらず、広告を表示させられている検索クエリが限定的
キーワードは完全一致と、軸キーワードに「+」をつけた絞り込み部分一致を活用しており、人間が思いつけないような「お宝ワード」への広告表示がされていませんでした。
③リマーケティング以外のディスプレイ広告の未実施
過去にリマーケティング以外のディスプレイ広告も実施していた形跡はあったものの、CPAの高騰を恐れてか興味関心などのターゲティング広告は実施されていませんでした。
アカウント構成
分散している広告グループ、キャンペーンをまとめて煩雑な運用を簡素化。また、データ量を1キャンペーン、1広告グループに蓄積することで自動入札を活用することを前提とした構成へ変更しました。
キーワード
コンバージョンを獲得している検索クエリを中心にキーワードを部分一致で登録し、これまで広告を表示できていなかった検索クエリにも広告を表示できるようにしました。
入札戦略
キーワード量が増える分、手動入札での細かな調整は事実上不可能と判断。目標CPAでの自動入札を導入することで、細かな入札価格の調整は機械学習に任せることにしました。
リマーケティング以外のディスプレイ広告のチャレンジ
コンバージョン数を劇的に伸ばすうえで、ディスプレイ広告の領域はまだまだ可能性が眠っている状態でした。まずは興味関心の濃度が高い詳細なターゲティングから開始し、その後年齢性別のみのターゲティングなどの大幅に拡張したターゲティングにも広げていきました。
アカウント構成を変更し自動入札を導入した結果、グラフにあるように目標のCPA内に抑えたまま、コンバージョン数を大幅に伸ばすことに成功しました。
部分一致活用、ターゲティング追加で表示回数が増加
当初の狙い通り、これまでリーチできていなかった層へ広告を表示させることができました。広告は表示させなければ何も始まりません。CPAを意識するあまり保守的になっていた運用を攻めの運用に転用させることができました。
自動入札が火を噴いた
キーワードを広げた分、コンバージョン率が下がることも致し方ないとは思っていましたが、機械学習が働くアカウント構成を意識していたこともあり、見事に自動入札機能の効果を最大限発揮。コンバージョン率を上げつつコンバージョン数を拡大させることができました。
全体的に良くなったCPAがディスプレイ広告のチャレンジを許容
既存の検索連動型広告やリマーケティング広告のパフォーマンスが改善したことで、目標CPAに対する”余力”が生まれました。これによりディスプレイ広告で多少CPAが上がったとしても全体の成果は目標CPA以内に収まり、チャレンジできていなかった配信メニューでのコンバージョン獲得件数を伸ばすことに成功しました。
続いての例では自動入札機能はすでに利用していたものの、アカウント構成が自動入札を前提とした作りになっておらず、CPA・コンバージョンともに改善幅が鈍化していました。
アカウントの概要
サービス:独立・開業の支援
コンバージョンポイント:資料請求
当時のCPA:15,000円
抱えていた課題:資料請求を増やしたい
PLAN-B運用後のCPA:12,000円
PLAN-B運用後のコンバージョン数:2.7倍
※実績をもとに架空の数値に加工しています
キャンペーンがビッグワードとミドルワードで分けられていた
ひと昔によくあったこのような構成は、意図としてはコンバージョン数が多いワードを別予算で管理したいとうことなのでしょう。しかし、キャンペーンを分けてしまうとコンバージョン数が分断されて自動入札の判断基準となるせっかくのデータ量が小さくなってしまっていました。
訴求内容は同じなのに広告グループがわけられていた
この事例のサービスでは、「独立」や「開業」といったキーワードが想定されますが、独立であれ開業であれ言い方が違うだけでユーザーが目指していることと、自社が提供できるソリューションはほぼ同じです。それにもかかわらず広告グループがわかれており、こちらもデータ量の分断が起こってしまっていました。
キャンペーン
キャンペーンを「指名キーワード」と「指名キーワード以外」の2つに統合。5つあったキャンペーンが2つになったことで煩雑な管理が軽減され、かつ自動入札機能のパフォーマンス最大化に必要な要素であるデータ量を担保することを目指しました。
広告グループ
訴求内容が同じキーワード群の広告グループはすべてまとめました。「独立」や「開業」などのキーワードに対しては、広告カスタマイザーを活用し、検索語句と広告文の一致度合いの向上を図りました。
アカウント構成を変更し自動入札を導入した結果、グラフにあるように目標のCPAを抑制しつつ、コンバージョン数を伸ばすことに成功しました。
分散しているデータを一か所に集めたことで自動入札機能の精度が向上した
こちらの例ではキーワードの入れ変えや広告文の大幅な変更はせず、アカウント構成のみ大きな変更を加えました。いわば、連れてきているユーザー層や見せている広告文はほぼ同じ状態です。
それにもかかわらずアカウント構成変更後、時間が経つごとにCPAが下がりコンバージョン数も増えていきました。これは自動入札機能のパフォーマンスを最大限発揮するために、データ量を意識した構成にできた結果だろうと考えられます。
いかがでしたでしょうか。
今回書いた内容はいわゆる「マーケティング」とはかけ離れた、小技集のようなものです。ですが、実はこの基本部分ができておらず機会損失を生んでしまっているアカウントが非常に多いのも事実です。
広告運用者がマーケティング観点や経営目線を持つことは非常に大事ですが、まずは今一度運用しているアカウントの状況から見直してみてはいかがでしょうか。
第三者目線でPLAN-Bにアカウントの健康診断をしてほしいという方がいらっしゃいましたら、ぜひこちらのフォームからお問い合わせください。