PINTO!株式会社PLAN-Bの情報発信メディア

2019.06.07

五十嵐 和希

INTERNET ADVERTISING

アトリビューション分析とは|ユーザー単位の広告効果測定を分析モデル毎に解説

WRITER

五十嵐 和希

株式会社PLAN-B システム開発本部 PDMチーム

大手広告主企業での広告宣伝部、総合広告代理店でのプロモーション部を経験し、PLAN-Bへ入社。
企業のオウンドメディア立ち上げ支援や自社開発DMP「Juicer」のマーケティング責任者を担う。
現在は自社開発プロダクト「SEARCHWRITE」のプロダクトオーナーとしてPMFに向けた活動を担当している。Twitterを見る

目次
    1. インターネット広告におけるCV計測のジレンマ
    2. 各施策を正しく評価できるアトリビューション分析とは?
      1. 01.ラストクリックモデル
      2. 02.線形モデル
      3. 03.減衰モデル
      4. 04.接点ベースモデル
      5. 05.カスタムモデル
    3. アメリカではもう当たり前!アトリビューション分析の現状
    4. まとめ

最近、アトリビューション分析について興味があるとおっしゃられる広告主様が増えてきているように筆者は感じております。

ただ、「なんとなくやったほうがいいとは思っているがどんなことなのかよくわかっていない。」だったり、「代理店にそんなのやらないほうがいいと断られた。」など、まだしっかりと実用できている広告主様は少ないのではないでしょうか。

今回はアトリビューション分析の概要から実際にどのように活用していくべきなのか、について解説していきます。


インターネット広告におけるCV計測のジレンマ

これまでのインターネット広告は、各媒体ごとでラストクリック(刈り取り)型のCV計測手法を活用し、CPA目標を掲げて代理店に運用を任せる形が主流でした。

しかしながら昨今、SNS広告やDSP広告、その他様々なネットワーク系の広告媒体が広まったことで、実は1人のユーザーしかCVに至っていないにも関わらず、各媒体に接触したことから様々な媒体でCVが計測されてしまう重複CVの問題が徐々に深刻となってきました。

重複CV

では逆に、もう全ての接触をCV計測しよう!と思っても同じ媒体・アカウント内で複数回接触していれば、最後に接触したキャンペーンや広告グループにCVがつくようになり、同媒体内で初回接触したキャンペーンや広告グループにはCVがつかない現象が発生しています。

これを解決するのが、弊社が開発している「Reallo(リアロ)」や、アドエビスのような第三者による広告効果計測ツールです。

これらのツールを導入すると、個別ユーザーが「どの媒体と」「いつ接触して」「どのような経路を辿って」「最終CVに至ったのか」を、媒体を跨いでユーザー単位で計測することが可能となります。

アトリビューションモデルを取り入れず、ラストクリックのみを評価する手法を取ってしまうと、最終の刈り取りができるリタゲ/リマケのキャンペーンを過大に評価してしまうことになります。

逆に、DSPの新規ユーザー向けオーディエンス配信などのキャンペーンは、新規ユーザー接触率が非常に高いにも関わらず刈り取りには向かないため、ラストクリックのみの評価軸では過小にしか評価ができません。

ラストクリックのみで、媒体/キャンペーンの評価を下すということは、獲得効率の良いリマケ/リタゲに広告予算を投じ、初回接触を創出できるものの獲得が不得意なキャンペーンの予算を減らす、ということになります。

新規ユーザー集客予算を減らし、リタゲ/リマケにばかり予算を通じてしまうと、徐々に獲得数が先細りになってしまうのは自明の理です。


各施策を正しく評価できるアトリビューション分析とは?

アトリビューション分析とは、直接成果に繋がったものだけを評価するのではなく、それまでに接触したものも含めて全てを評価する分析手法のことを言います。

サッカーに例えると、ラストクリックのみを評価していたこれまでの手法は、点数を入れたFWのみを評価し、最初に相手からパスを奪ったDFや最後に素晴らしいパスを出したMFのことを評価しない手法。

アトリビューション分析は、パスを奪ったDFも、素晴らしいパスを出したMFも、最後に点数を入れたFWにも適切な割合で評価ポイントを与えよう!といった手法となります。

アトリビューション分析

サッカーで強いチームをつくるためにはアトリビューション分析のような手法で全メンバーを評価しないといけないように、広告でも全ての接触を評価できる手法を用いる必要があるのです。

このアトリビューション分析には各接触ポイントの評価の比率をどのように分配するのか。といった様々なモデルがあるので、1つずつご紹介します。


01.ラストクリックモデル

ラストクリックモデル

こちらはこれまで行っていたラストクリックのみを評価するモデルです。一応、このモデルもアトリビューションモデルの1つとして考えられています。


02.線形モデル

線形モデル

線形モデルとは、過去全ての接触を均等に評価するモデルです。CVまでに4回接触していたとすると、各接触ポイントに25%ずつ評価を割り振ります。


03.減衰モデル

減衰モデル

減衰モデルとは、接触ポイントが終点に近ければ近いほど評価の比率が高くなる評価モデルです。(CVまでにA→B→C→Dを経由したとすると、A:5%、B:15%、C:30%、D:50%のようにD→C→B→Aの順で評価比率が高くなります。)


04.接点ベースモデル

接点ベースモデル

接点ベースモデルとは、最初に接触したポイントと最後に接触したポイントを多く評価するモデルです。おおよそ、最初と最後に40%ずつ、途中の接触は合わせて20%の比率となることが一般的です。(CVまでにA→B→C→Dを経由したとすると、A:40%、B:10%、C:10%、D:40%のようにAとDを多く評価します。)


05.カスタムモデル

カスタムモデルは、自分でカスタマイズして、評価モデルを構築するものです。


なぜ、このように様々なモデルがあるのかというと、実は全てのビジネスモデルに共通して活用できるアトリビューションモデルというものがないからなのです。

例えば、低単価商品を多く取り扱っている総合通販サイトであれば、購買までの検討期間がそこまで長くないことから、いかに低単価で多くのユーザーを集客できるか、そしてそのユーザーをいかに低単価でCVに導くか、が重要となります。

そうなると、初回接触と最終接触(リマケ/リタゲなど)以外の途中経路にはあまり価値がないため、接点モデルを取り入れることが多くなるでしょう。また、BtoBで検討期間の長い高単価な商材であれば、新規接触でそのままCVするよりも、複数回に渡る広告接触を経て、長期間かけてCVに至ることが想定されます。

その場合は、終点に近いほど評価を上げていく「減衰モデル」を採用することがベターかも知れません。

このように、広告主様のビジネスモデルに合わせてアトリビューション分析のモデルを選定して活用する必要があります。 


アメリカではもう当たり前!アトリビューション分析の現状

日本ではまだあまり一般的に言われていないアトリビューション分析ですが、実はアメリカではもう既に主流となっています。

アメリカの調査会社であるeMarketerが2017年に発表したレポートによると、2014年には既に61%の企業がアトリビューションモデルを採用しており、2018年には86%もの企業が導入する見込みだと伝えています。

※調査対象は100名以上の従業員が在籍し、かつデジタルマーケティングチャネルを1つ以上利用している企業。

アトリビューションモデルの米国シェア

このレポートでは、アトリビューションを活用する理由として、デバイスとメディアが多様化している世の中で、様々なチャネルを正しく評価し、最適化を行う必要があるとし、その最適化を行う鍵となるのがアトリビューションの活用であると伝えています。

こちらからレポートがDLできます:
eMarketer Roundup: Multichannel Attribution in 2017


まとめ

デバイスとメディアの多様化は今後もより一層すすむことでしょう。よって、多様化したメディアを活用し正しく評価する「アトリビューション分析」は今後すべての企業の課題となります。

多様化したメディアの最適化を推し進めるためには、我々代理店がもっと広告主様にアトリビューションの活用を促す必要があります。また、活用して実際に成功を実感していただけるように、「アトリビューションを主軸としたメディアプランニング」の力を身に付けていく必要があります。

PLAN-Bでは、アトリビューション分析の結果から、各媒体の予算を人工知能が自動再配分するリアロケーション(予算再配分)システム「Reallo(リアロ)」の開発を行っております。今のインターネット広告運用に疑問をお持ちの広告主様は、一度、自社の広告評価指標を見直してみてはいかがでしょうか。