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2019.09.06

勝見 隼人

INTERNET ADVERTISING

「広告運用代理店へ勤めている20代の若者へ|30代で成功を勝ち取るキャリア形成のレシピ」

WRITER

勝見 隼人

株式会社PLAN-B 事業統括本部 インターネット広告事業部西日本 部長

2017年1月にPLAN-B中途入社。大手旅行代理店、漁師、ベンチャー役員、総合広告代理店と様々な業種を経て今に至る。国内・海外プロモーションにおいてのプランニングから広告運用、解析まで幅広い知識と経験値を保有する。現在はインターネット広告事業部西日本の部長として、インターネット広告運用・アドクリエイティブチームを率いる。

目次
    1. まず皆さんが何を作りたいか?が重要
    2. 今回の記事で紹介する料理は「クインティプルキャリア ~30歳に添えて~」
      1. 材料(1人分)
      2. 手順1:まずはタネをしっかりと作る
      3. 手順2:仕込んだタネに具材を練り交ぜる
      4. 手順3:焼く、蒸す、炒める、茹でる
      5. 手順4:機能的な付け合わせを考える
      6. 手順5:仕上げのトッピングはお好みで
      7. コツ・ポイント
    3. 最後に

 現在、広告代理店で働く20代の若者の皆さんへ。いま皆さんは30代でどのような人生を歩みどのようなキャリアを描き、どんなビジネスマンでありたいかしっかりと将来に向けた人生のレシピを持っていますか?

残念ながら私が知っている限り、広告代理店勤めの20代若者は多くの人間がレシピを持たず、とりあえず感覚で貴重な20代の人生を調理しています。

この記事では、そんな料理初心者である皆さんに向けて30代に向け、どのように自分の20代を調理すれば良いのか、1つのレシピ事例を用いて記事にさせて頂きました。 「レシピがない」から「レシピがある」状態になるため、どのようなキャリア形成のレシピがあるか、ぜひ参考にして下さい。

まず皆さんが何を作りたいか?が重要

レシピを伝える前にまずは皆さんが30代で何の料理を作りたいかということが重要です。ここは明確でなければならないと考えています。

例えば麺類に関わる料理を作りたいといってもラーメンや蕎麦では準備する材料が異なりますし、ラーメンと一言で言っても中華そばや豚骨ラーメンなどレシピは様々です。 もし皆さんが完成品をイメージ出来ていないのであれば、正直イメージ出来るまでこの記事は役に立たないと思っています。

そういう人はまず社外にいる多くの人生の先輩(出来れば目上の人)に会い、世の中にはどんな料理があるのかということを知ることから始めてみましょう。

いやいや、すでに30代でどのような料理を作りたいかが決まっているという人はぜひこの記事を読み進めて下さい。 今回、タイトルに「広告代理店」と入れているのは私自身がそこに特化したキャリアを積んできたためではありますが、そういったキャリアとは無関係の若者にも少なからずとも参考になる記事のはずです。

今回の記事で紹介する料理は「クインティプルキャリア ~30歳に添えて~」

今回の記事で紹介する料理

この料理は皆さんが30歳になった時点でクインティプルキャリアを習得しているという料理です、そしてこれらのキャリアを積み上げるためにはどういった考え方、進め方が良いかということを(私の経験に沿って)レシピ調に記しているものです。

この料理を作りたいと思った理由は私自身が30歳になったタイミングで、プランナーや運用者など単なるスペシャリストではなく広告業界の中で幅広い専門職を持ち合わせ一気通貫で事業を遂行出来る、いわばゼネラリストの中のスペシャリストになっていたいと思ったことがキッカケです。

クインティプルキャリアというのは、最近よく出てくるパラレルキャリアとはまた意味が異なります。どういったことかと言うと転職を繰り返さなければ習得できないスキルを指しており、それらを5つ(クインティプル)以上自身のスキルとして保有している状態を示しています。

営業職がスタートスキルであった場合、30歳時点で

  • 営業

  • マネジメント
  • デザイン
  • プランニング
  • 広告運用

計5つのスキルを習得している状態です。この状態を30歳時点で作れているかが市場価値を醸成する上でのポイントとなります。

ではさっそくレシピを習得して頂くために調理を始めていこうと思います。

材料(1人分)

材料(1人分)

広告運用力1缶(100グラム)※重要
プランニング力1缶(今回は70グラム使用)※重要
デザイン力小さじ2 ※グラフィックでもWEBでも可
マネジメント力大さじ5 ※3人以上の部下が望ましい
営業(コミュ)力120cc~ ※プレゼン力も含む
データ解析力適量 ※GoogleアナリティクスやAdobeサイトカタリスト
オフライン経験少々
新規事業開発経験少々
起業(役員)経験 お好みに合わせて ※経営スキル(PL/BS/CF

手順1:まずはタネをしっかりと作る

手順1

どの料理においてもそうですが、料理の出来は生地やタネで決まります。

今回の材料を見てみると、ここで言う生地やタネと呼べるのはベースとなるスキル、つまり広告運用力あるいはデザイン力がそれになるかなと思います。

この記事では、仮に使用するタネ(つまりスタートスキル)を広告運用力として話を進めていきます。広告運用といえば単純に

  • Google
  • Yahoo!
  • Facebook

広告運用することですね、もちろん間違ってはいませんがそれでは世の中にあるありふれたタネと何ら変わりません。

重要なのは「差別化」です。 まずこの広告運用力の中でもしっかりと価値ある素材を作っていく必要性があります。

塩一つとってもそうですが、精製塩と天然塩では市場価値が全く異なります。やはり価値の高い天然塩が市場価値は高いです。使い勝手の良い湖塩だったり、魚介と相性の良い藻塩だったり塩の種類も様々ですが。 広告運用力においても同様の考え方です。上記のように媒体の入稿や広告運用、レポーティングが出来たところで正直代わりの人材は溢れています。重要なのはタネの中でもしっかりと差別化戦略を図っていくことです。

私が推奨するのは広告運用における取り扱い媒体数を増やすことです、これが一番運用者にとってキャリア形成する上での最短ルートだと思っています。

実際に私の場合、広告運用担当者を約3年している中で、GoogleやYahoo!以外にも

  • Bypass
  • Criteo
  • DoubleClick(名称廃止済み)
  • Logicad
  • YouTube
  • TubeMogul
  • アウトブレイン

始めとする約20種類の入稿、運用、レポーティングスキルを習得し、まず社内の広告運用者の中で自身における属人的な価値を創ることを意識しました。

それにより、営業からの運用指名数は前年の5倍に増え、最終的にはトップセールスマンが集まる営業局へ引き抜いて貰うチャンスも手に入れました。 塩で言うとアンデスウユニ湖のウユニ塩くらいにはなれたかなと自分では思っています。

手順2:仕込んだタネに具材を練り交ぜる

手順2

手順1でしっかりとタネが出来上がったら次に強度を増すためにプランニング力を練り混ぜていきます。

ハンバーグのタネに副材料である卵や牛乳を混ぜ合わせるようなイメージです。卵がなくてもハンバーグは成立しますが、なければふんわり仕上がらなかったり熱が通らなかったりとハンバーグに重要な凝固性を発揮してくれません。

広告運用力だけでも通用しますが、せっかく学んだ運用手法を戦略策定時に落とし込み、皆さんのソリューション領域を増やしていくことが次に繋げる上で重要だと考えています。

ちなみにプランニング力を強化していくために必要なことは1分でも早く、そして1人でも多くの人の企画書を見て真似てアウトプットすることです。

アウトプットした数に比例してプランニング力は上がります。「真似る」は「真似ぶ」となり「学び」となります、若者にオリジナルは必要ないと思っています。

まずは真似ることが先決です。 そしてプランナーという職種においては世の中にスペシャリストと呼ばれる人材は存在しません。つまり業界にいる限りは真似し学び続けることが必要となります。

手順3:焼く、蒸す、炒める、茹でる

手順3

私は鳥刺しや肝刺しをとても好んで食すのですが、あれは新鮮だからこそ美味いと感じます。(宮崎で地鶏を使った鳥刺しなどをつまみながらビール、もうこの世が終わってもいいと感じる一瞬です) しかし今回は刺し身のようにすぐに提供出来る料理ではなく長い時間軸を辿りながら作り上げていくレシピになります。

私の経験上、手順1と2に沿って真面目に調理をしていくと、早くても3~5年は要するはずです。新卒から調理を始めたとしても26歳、スキルの習得に時間を要する人ならば28歳くらいまでかかる可能性もあります。 今回の料理は時間を要するものになるため火を通さなければ食すことは出来ません。

私の場合は火を通す材料としてグラフィックデザインを学び、デザイン力を自身のトリプルキャリアに選びました。どの程度まで習得したかというとそこそこ有名なデザイン協会が選ぶ年間のデザイン賞にノミネートされるくらいまでです。デザインの手本となる雑誌や本にも5冊ほど掲載されたこともあります。

後ほどスキルを習得したと言えるレベルがどの程度かを記載しますが、せめてこれくらいまではやり切らないと習得数にカウントはしてはならないと思っています。

広告においてデザイン(アドクリエイティブ)は外してはならない項目です。どれだけ広告運用力があってもプランニング力があっても、デザインの作法を知らなければクリック率や視聴率を高めることは出来ないと思っています。

デザインにおいて、大枠の知識を知っているのと実際に自分がデザインした経験があるか否かではスキルレベルが圧倒的に異なります。すぐにでもAdobe PhotoshopとIllustratorを触ることをおすすめします。

広告運用においてもプランニングにおいても「どの程度までやるか」が非常に難しいと思います。皆さんが出来たと思っていても周囲が出来ていないと思っていればそれは出来たことにはなりません。

少なくとも社内の3人以上に出来ると認められること、社内でこの領域においては右に出る者はいないという段階まではやり続けることが大切です。

手順4:機能的な付け合わせを考える

手順4

料理のコンクールなどで採点項目にも入っていますが料理はバランスです。見た目のバランスもありますがここで示すバランスとは機能的なバランス。

炭水化物とタンパク質ばかり摂取していても身体が上手く循環しないのと同じようにカリウムや鉄、カルシウムなど機能的に摂取していくことが大切です。

私がクアドラプルキャリア、つまり4つ目のスキルに選んだのは起業という実践を通じた経営スキルです。そこでPLやBS、CFなど事業や組織を動かしていくためのスキルを約3期かけて習得しました。起業という大きなリスクを取った分、跳ね返って得た対価も大きくマネジメントスキルや採用スキルも一緒に身につけることが出来ました。

手順5:仕上げのトッピングはお好みで

手順5

フランス料理などで使われる「lier」というフランス語を聞いたことはありますか?これには「結びつける」という意味合いがあり、料理を最終的に仕上げる際の重要な工程を指しています。

具体的には仕上げの料理にかける煮汁の濃度を上げるため、バターやクリームを加えることなどを指しています。私はトッピングという行為も同じような役割だと捉えています。

手順1の広告運用力を養いながら意識的に解析ツールを使用することで一定の解析スキルは身につきます。同じようにプランニングにおいてもクロスメディアの提案を行うことでCM枠の

  • バイイング
  • ラジオ広告
  • サイネージ広告

などの知識を習得することが可能となります。

駆け足にはなりましたが、これらが「クインティプルキャリア ~30歳に添えて~」のレシピ方法となります。再度手順をおさらいし、30歳を一つの節目として料理を完成させましょう。

コツ・ポイント

  • 手順2のプランニング部分ではプレゼンテーションを営業に任せるのではなく、積極的に自分でプレゼンテーションを行い、直接お客様よりフィードバックを貰うことが質を上げる近道です。
  • 材料にある営業力は与件がなければ、自分で暇を見つけてテレアポでも何でも思いつきを実践してみることを推奨します。待っていても仕事は回ってこない。テレアポは営業の仕事と思っている時点であなたのキャリアは詰んでいます。実践を通じてコミュニケーション、深層心理を読み取るスキルを身につけて下さい。
  • 同じく材料にある新規事業開発。これは特にベンチャーに勤める人はチャンスがあれば自ら掴みに行って下さい。なければ見様見真似で事業計画書を作り、周囲にあててみることも出来ます。キングコングの西野さんも言っていますが失敗したことを学び、次成功すればそれは失敗ではないということです。

最後に

最後に

「20代で苦労した者だけが30代で夢の世界を見ることが出来る、人生の80%は35歳までに決まる」
by 矢沢永吉

たまにふと20代を思い返す瞬間があります、思い出したくないくらい無我夢中でインプットとアウトプットのピボットを繰り返しました。デジタルと広告にのめり込みレシピを習得しようと我を忘れて必死の20代でした。

そして現在33歳、40代の未来に向けてまた1つのレシピを開発中です。
1人でも多くの若者にこのレシピ、料理を知って貰い、1度の人生を謳歌して貰いたいと思っています。
さぁ、召し上がれ。